Keysight Technologies の ABL (ADS Board Link) により、図研ツールから同社の PathWave ADS への円滑な解析と検証フローを実現します。PathWave ADS は RF 設計やシグナルインテグリティ/パワーインテグリティ設計を支援します。これにより、設計者の技術革新と設計フローを加速させることができます。
SIPro などの ADS に搭載された機能は、特に PCB 設計における SI エンジニアを強力に支援するよう設計されています。
ネット・ドリブンのインターフェースにより、設計者が表面実装コンポーネントを含めた電源プレーンおよびグランドプレーンと一緒に信号ネットを解析したい時、それらのネットを素早く選ぶことができます。解析の前に接続情報を手作業で編集する時間と手間は不要です。ABL はレイアウト後の解析を合理化します。レイアウトから解析結果の取得までが20クリック以下で実現できます。
【SIPro の概要】
解析可能な電磁界現象:
– ビアのマイクロストリップラインのトランジション
– 信号からグランドプレーン、パワープレーンのカップリング
– TDR / TDT
– 近傍および遠方のクロストーク
【PIPro の概要】
2. PCB サイズが縮小する中での、電源プレーン向けのスペース不足
パワーインテグリティ解析は設計者自身が取り組む必要があります。PIPro は、ビアのメッキ厚などの項目を含んだ、電源供給ネットワーク(PDN : Power Distribution Network)の実際の物理レイアウトを考慮します。専用の PI-DC シミュレーターを使用すると、選択した電源ネットやグランドネットの電圧分布について、数秒以内で視覚的なフィードバックを得ることができます。
PDN は PCB 内のより狭いスペースに押し込まれるため、電源プレーンは電圧降下に影響する温度上昇のために、当初の設計通りに動作しない事があります。
完全に自動化された電気-熱の反復解析により、この問題を解決します。熱による局所的な抵抗率の変化を考慮することで、非常に正確な DC IR ドロップに基づいた熱フロアプランが可能となります。
ADS は DC の観点だけでなく、スイッチング周波数と負荷応答特性(ロード・トランジェント)の観点からも PI を考慮します。
フラットなインピーダンス応答が必要な場合、PI-AC シミュレーターを使用して、デカップリングコンデンサが適切に配置されたレイアウトでの周波数特性と PDN インピーダンスを計算します。フラットなインピーダンスは PDN の致命的な電圧リップルを回避することができます。
【最終的なシステム解析でフローを完了させる】
まとめると、レイアウトアートワーク、コンポーネント情報、および層構成を ABL で高速かつ効率的に受け渡すことで、PathWave ADS の強力なシミュレーション解析ツール群にアクセスできる、ということになります。
Keysight PathWave の EM ツールの詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.zuken.co.jp/product/eda/keysight_abl/