図研、シノプシスへのインベンチュア譲渡で合意

2012/01/24 配信

株式会社図研(以下、図研)は、SoC開発の中核ソリューションであるIP(注1)関連事業を手がける連結子会社インベンチュア株式会社(以下、インベンチュア)の全株式を、半導体向け電子設計自動化(EDA)ソリューションに加えてIPビジネスの強化を目指す米国Synopsys,Inc.(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー、以下、シノプシス社)の要請を受け、シノプシス社の日本法人に譲渡することを発表しました。

インベンチュアは2006年に設立され、IP関連事業に特化した会社として成長しており、特にOA機器や放送機器、ネットワーク機器、サーバ/ストレージ製品などで用途が拡大している「PCI Express」(注2)向けのIPにおいては、市場で高い評価と販売実績を誇っています。
シノプシス社は、半導体向けEDAソリューションにおける世界的リーダー企業であるとともに、IP関連ビジネスにも注力しています。
図研はプリント基板設計とICパッケージ設計向けEDAソリューションに強みを持ち、日本のみならず世界の幅広い産業における電子機器システム設計分野で高い評価を得ています。図研のソリューションとシノプシス社のソリューションとは相互に補完する関係にあり、両社がビジネスパートナーとして協調を進めていく中で、この度、シノプシス社よりインベンチュアの株式譲渡の申入れがあり、友好的な交渉の結果、図研は受諾しました。

インベンチュアにとっては、成長ビジョン実現のため、半導体設計ソフトウェアの世界的リーダーである米国シノプシス傘下で、強みとするIPビジネスをグローバルに展開することが可能となり、シノプシス社は、インベンチュアのIPコア技術を獲得することにより、シノプシス社のIPソリューションの開発を加速することができます。

この度の図研によるインベンチュアの譲渡に関し、インベンチュアの会長であり図研の代表取締役副社長である勝部迅也は次のように述べています。
「図研が育て市場で高い評価を得ているインベンチュアのIPが、今後シノプシス社によって拡販されることにより、世界の数多くのモノづくり企業における最先端製品の開発に寄与するでしょう。また、これを機に図研とシノプシス社の協調関係が強化されることで、図研が実績を誇る電子機器システムの設計分野におけるシノプシス社の半導体設計・解析技術の協調販売や、シノプシス社の半導体設計分野と図研のシステム設計分野の協調設計環境の市場への提供など、両社の緊密な協調関係を継続し、世界規模でのモノづくりの一層の効率化を模索したいと思います。」

(注1)IP(Intellectual Property)
:半導体チップにおいて根幹の役割を果たす回路ブロック情報で、特に機能単位でまとめられているものを指す。IPコアと呼ぶ場合もある。

(注2)PCI Express
:PCI(Peripheral Component Interconnect:PC周辺機器のシリアルインタフェース仕様)の高速版で、グラフィックインタフェースAGP(Accelerated Graphic Port)からの派生でインテルが標準仕様として策定したもの。

【インベンチュア株式会社の概要】
図研は、かつて社内の一部門として、SoC開発の中核ソリューションとしてオリジナルIPコア「Z-coreシリーズ」の開発と各種サービスを提供していました。その後、高品質なIPへの市場ニーズによりスピーディに対応するため、2006年4月に図研の100%子会社として誕生したのがインベンチュアです。インベンチュアは、IPライセンス販売、IP適用のASSP製品開発・販売、IP適用コンサルティングなどIPコアに特化した事業会社として順調に成長し、特に「PCI Express」向けの「Z-core PCI Express」は、デジタルカラー複合機などのOA機器、放送機器、ネットワーク監視機器、サーバ/ストレージ製品などの幅広い市場で高い評価を獲得しています。

※ 日本シノプシス合同会社によるニュースリリースはこちらをご覧ください。
http://www.synopsys.co.jp/pressrelease/2012/20120124.html

 

【本件に関するお問合せ先】
株式会社図研 コーポレート・コミュニケーション室
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