vol.28のテーマは「MBSEによる共創基盤の構築と、製造業における思考の変革」です。複雑化する製品開発の突破口として、東芝デバイス&ストレージと図研が提唱する「みんなのMBSE」や、システム全体を俯瞰する「Systems Thinker」の重要性を特集。さらに、マツダの「魂動デザイン」を紐解く「アート思考」や、不可能を可能にした金属加工技術「一枚鉸(ひとひらしぼり)」など、技術と感性を融合させ、日本のモノづくりを再生させるための深い洞察を提示しています。
【巻頭鼎談】
- タイトル:「みんなのMBSE」で、 メーカー間の共創基盤を実現したい
- 登場人物:東芝デバイス&ストレージ株式会社 デバイス&ストレージ研究開発センター パッケージソリューション技術開発部 シニアエキスパート 福場 義憲 氏、益 啓純 氏、株式会社図研 技術本部 PI開発部 部長 稲石 浩通
- 記事ハイライト:製品開発プロセスをMBSEで再構築し、デバイスメーカーとセットメーカーをつなぐ「共通言語」としての活用を提案。熟練者のプロセスを形式知化し、経験の浅い技術者でも効率的な設計を可能にする「ミドルアウト」戦略や、国際標準LPBフォーマットによる情報伝達の効率化について語っています。
【Feature Article:特別寄稿】
- タイトル:立ち上がれ! “Systems Thinker”
- 執筆者:イノベーティブ・デザインLLC Founder/CEO 石橋 金徳 氏
- 記事ハイライト:ホンダでのモビリティ開発における実体験を基に、全体をデザインしてから部分に入る「システムズエンジニアリング」の本質を解説。「機能」と「物理(実現手段)」を分けて捉えるアーキテクチャの概念を提示し、モノづくりに限らず社会のあらゆる仕組みを改善できる“Systems Thinker”の必要性を熱く説いています。
【Book shelf 特別企画:筆者からのメッセージ】
- タイトル:『アート思考のものづくり』/感動は「アート思考」で作りこむ!
- 執筆者:大阪大学 大学院経済学研究科 教授 延岡 健太郎 氏
- 記事ハイライト:効率重視のデザイン思考を超え、自らの理想と哲学を表現する「アート思考」による日本製造業の再生を提言。マツダの「魂動デザイン」の事例を通じ、妥協のない執念が生む「想定を超えた感動」が、いかに差別化と高付加価値化につながるかを、Science・Engineering・Design・Artを統合したSEDAモデルで紐解きます。
【Thinking Method】
- タイトル:イノベーションのジレンマと条件
- 執筆者:慶應義塾大学大学院SDM研究科 教授 前野 隆司 氏
- 記事ハイライト:クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」と、濱口秀司氏の「イノベーションの3条件」を解説。革新的なアイデアほど専門家に「賛否両論」を巻き起こすという特性を指摘し、多数決をせず少数意見の可能性を吟味することが、破壊的イノベーションを生み出す鍵であると提言しています。
【ビジネス新潮流】
- タイトル:「VR会議」「多言語翻訳」で あらゆるハンデからの解放を目指す
- 登場人物:株式会社メタリアル 代表取締役 CEO 五石 順一 氏
- 記事ハイライト:本社機能をVR空間に移転し、場所・時間・言語の制約をなくす「グローバル・ユビキタス」への挑戦を紹介。2026年に約51億ドル規模へ成長と予測されるVR/AR市場を見据え、AIによる8カ国語対応のリアルタイム自動翻訳サービス「YouConnect」を駆使した、次世代の働き方とグローバル化の形を提示しています。
【MONOism】
- タイトル:不可能といわれた技術 “一枚鉸”が金属板加工の未来を切り開く
- 職人:株式会社 高桑製作所 2代目 髙桑 英治 氏
- 記事ハイライト:1枚のチタン板から溶接なしで二重構造の器を成形する特許技術「一枚鉸(ひとひらしぼり)」を紹介。2017年に大田区「おおた秀逸技能賞」を受賞したこの技は、10名の職人中3名のみが成せる神業です。「要望通りのものを作る」基礎に、「今までなかったものを創り出す」デザインを融合させた、町工場の挑戦を追っています。
【発行】2022年1月
※各記事の掲載内容は冊子発行時の情報となります。
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