vol.29のテーマは「製造現場のDX推進と強靭なOTセキュリティの構築」です。変種変量生産時代を見据えた「使いまわせる」工場設計を提言する巻頭対談をはじめ、日揮グローバルによるプラント計装設計の劇的な自動化事例や、大林組による「力触覚技術」を用いた左官の遠隔作業など、DXの最前線を特集しています。
また、喫緊の課題であるOTセキュリティの多層防御対策や、多様性を活かしたイノベーション創出論など、日本の製造業がデジタルで再び世界を圧倒するための戦略的な視点が凝縮された一冊です。
【巻頭対談】
- タイトル:「使いまわせる」工場設計で、 未来を勝ち抜くモノづくりを
- 登場人物:株式会社FAプロダクツ 代表取締役会長 Team Cross FA プロデュース統括 天野 眞也 氏、株式会社図研 執行役員 オートモーティブ&マシナリー事業部長 大澤 岳夫
- 記事ハイライト:大量生産から変種変量生産へのシフトに対応するため、ハードウェアの変更を最小限に抑え、プログラムで柔軟に組み替えられる「使いまわせる」生産ラインの重要性を提言。デジタル化によって共有情報を飛躍的に増やし、現場がサプライチェーン全体を俯瞰する意識を持つことが工場活性化の鍵であると説いています。
【Challenge “To Be”への挑戦】
- タイトル:EPC事業を通して豊かな未来を創りたい それがプラントのDXを支える想い
- 登場人物:日揮グローバル株式会社 プロジェクトソリューションズセンター エンジニアリング本部 電気計装システム部 部長 仙石 晃 氏、チーフエンジニア 菅沼 伝 氏、アシスタントグループマネージャー 信田 尚孝 氏
- 記事ハイライト:2030年までに「設計工数を1/3に削減し、遂行スピードを2倍向上」させる目標を掲げ、図研と共同で計装工事設計自動化システム「in-LINC」を開発。人力に頼っていた膨大なチェック・検討作業を自動化し、シニアの知見と若手のデータ技術を融合させることで、競争力向上と品質の均一化を実現した事例を詳述しています。
【ビジネス新潮流】
- タイトル:力触覚技術「リアルハプティクス」で 左官の遠隔作業を実現する
- 登場人物:株式会社大林組 技術本部技術研究所 ロボティクス専門士 上田 尚輝 氏
- 記事ハイライト:物体との接触情報をデータ化して伝送する「リアルハプティクス」を用い、熟練の感覚が必要な左官作業の遠隔操作を実証。0.1mm以下の力触覚を再現し、東京・大阪間での実験に成功しました。危険な場所での作業遠隔化や、熟練者の動きを若手が追体験する技術継承への活用が期待されています。
【Feature Article:特別寄稿】
- タイトル:OTセキュリティの課題と対策
- 執筆者:株式会社制御システム研究所 代表取締役 森本 賢一 氏
- 記事ハイライト:物理的災害リスクを防ぐ「セーフティ」の観点からOTセキュリティの重要性を解説。トヨタ紡織における、ITセキュリティ技術を現場向けにパッケージ化した「エッジボックス」による多層防御の事例を紹介し、2022年度より世界30カ国へ展開する強固な認証基盤(IOTPF)の構築手法を提示しています。
【Thinking Method】
- タイトル:多様なメンバーが 斬新なアイデアを生み出す
- 執筆者:慶應義塾大学大学院SDM研究科 教授 前野 隆司 氏
- 記事ハイライト:均質な専門家集団は既存の枠に囚われ、賛否両論あるブレークスルーを却下するリスクがあることを指摘。多様なメンバーによる「枠外思考(out-of-the-box thinking)」が革新的な解を生むことを解説し、すべてのアイデアに価値があると信じてやり抜く組織文化の重要性を説いています。
【MONOism】
- タイトル:角度により表情を変える 螺鈿ジュエリーの 虹色の輝きに魅せられる
- 職人:嵯峨螺鈿 野村 3代目 野村 守 氏
- 記事ハイライト:貝の真珠層を0.1mm以下まで研磨して施す伝統技法「螺鈿」を現代のジュエリーへと昇華。TwitterなどSNSを活用した積極的な情報発信により、伝統工芸を身近なものとして広め、受注生産で3ヵ月以上待ちが出るほどの人気ブランドへと成長させた挑戦を追っています。
【発行】2022年9月
※各記事の掲載内容は冊子発行時の情報となります。
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