図研、BOMと超軽量3DフォーマットXVLの融合による次世代エンジニアリング・プラットフォーム「visual BOM」を発表

2011/06/14 配信

株式会社図研(以下、図研)は、エンタープライズPLM「PreSight」(注1)に実装される新しい基盤ソリューションとして「visual BOM」をリリースします。同時にこの「visual BOM」を実装する「PreSight」をDXアンテナ株式会社様(本社:兵庫県神戸市)より受注したことを発表しました。

BOM(注2)を中核とするPLMソリューションはこれまで多くの企業に導入されてきましたが、そのほとんどは設計最終段階でE-BOM(Engineering-BOM)を作成し、M-BOM(Manufacturing-BOM)に展開するという手配用途での運用に留まっています。また、設計部門においては3DCADが普及していますが、BOMに直接連携している例は少なく、他部門への設計情報伝達には未だ2D図面が主流です。
このような製品開発における垂直方向(設計上流から調達・生産へのフロー)の問題に加えて、標準化・共通化推進やメカ・エレキを統合した仮想検証の実現といった水平方向(製品間・部門間)での連携も、モノづくりが複雑化する中で、大きな課題となっています。
図研はこれらの解決を目的に、自社の統合BOMシステム「PreSight/BOM Producer」に、ラティス・テクノロジー社の超軽量化3DフォーマットXVLを組み込んだ、「visual BOM」を開発しました。従来、統合が難しかったメカ・エレキの設計データをXVLビュワーで一元化し、なおかつBOMと連動する仕組みがWebアプリケーションとして提供されます。これにより、設計部門、生産技術部門、そして海外工場や営業部門などがインターネットを介して、CPU資源に乏しい環境からでも、エレキ・メカを統合した製品情報を共有し活用することが可能になり、モノづくりプロセスの大幅な効率化を実現します。

特徴的な機能としては、形状情報を利用した部品の絞り込み検索や、マトリクスBOMによる展開機種構成と3Dモデルの自動生成などが挙げられます。これらは流用設計を促し、また複雑化するバリエーションを正確に評価することを支援します。そして設計変更においては、単に差分情報を伝達するのではなく、エレキとメカの干渉をリアルタイムにチェックすると同時に、関連部門が正確な処理を行えるよう、形状の差分を視覚的に表現します。

このように「visual BOM」は、詳細設計後に作成される従来のBOMとしての役割はもちろんのこと、モノづくりを構想設計段階から支援するD-BOM(Design BOM)としての位置づけを持ち、部品やユニットの採番・未採番に関わらず、設計上流から生産に至る全てのプロセスを、淀みなく支援することができます。

今回発表の「visual BOM」は、既にDXアンテナ株式会社様から受注しており、同社取締役開発本部長の白柳芳和氏から、以下のコメントをいただいております。
「当社開発部門は2004年に3D設計への全面移行を完了したが、その情報を設計部門だけでなく、関連部門でも活用するための製品情報プラットフォームとして、今回『visual BOM』の採用を決定した。将来的には、開発に携わる全部門での活用の幅を広げていきたいと考えており、今後の機能開発にも期待している。」

図研プリサイト事業部は、「visual BOM」をPLMの基盤ソリューションとして、今後様々なアプリケーションの開発を進めてまいります。

(注1) 「PreSight」、「visual BOM」 およびその他の図研製品は、株式会社図研の登録商標または商標です。その他の製品名および会社名は各社の商号、登録商標または商標です。
(注2) BOM : Bill Of Materials

詳しくは下記のPreSightブランドページをご覧ください。
http://www.presight.co.jp/

【本件に関するお問合せ先】
株式会社図研 コーポレート・コミュニケーション室
TEL:045-942-1511(代)
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