MBSE (Model-Based Systems Engineering)
MBSE(モデルベース・システムズエンジニアリング)は、複雑化する製品開発において、要求・機能・物理構造を「モデル」で繋ぎ、設計の整合性をデジタル化する手法です。製品のコストや品質の約7割が決定される構想設計(上流設計)をデジタル化することで、詳細設計での膨大な手戻りを防ぎます。現在、自動車、医療、通信など、高度なシステム連携を必要とする幅広い産業で、複雑性を解決するための不可欠なアプローチとして採用が進んでいます。
1. なぜ今、製造業にMBSEが必要なのか
現代のモノづくりでは、IoTやAIの普及により製品が「つながる」ことが前提となり、システムはかつてないほど複雑化しています。しかし、多くの現場では設計の上流工程が依然として「人依存」かつ「アナログ」なドキュメントベースで行われており、限界に達しています。
上流設計における主要なリスク
仕様表現のバラつきによる手戻り
ドキュメントベースでは設計者によって仕様表現が異なるため、関係者間での認識のズレや、仕様検討漏れによる手戻りが発生しています。

変更の影響範囲の把握漏れ
要求の高度化、システムの複雑化によって作成するドキュメントの数が膨大化しており、一部の仕様変更がどこに影響するかを正確に把握することが困難になっています。

熟練者の知見の暗黙知化
設計の根拠や「なぜその設計になったのか」という背景が暗黙知となっており、技術伝承が大きな課題です。

2. MBSEツール「GENESYS」によるモデルベースへの転換
図研が提供するMBSEツール「GENESYS」は、単に「図(ダイアグラム)を描く」だけのツールではありません。
情報をデータベース化し、論理的な一貫性を担保できる「真のモデルベース」環境を実現します。

一貫性のあるデータ構造
システムエンジニアリングの理論に基づいた「記述ルール(メタモデル)」に従って入力することで、すべての設計要素を論理的に関連付けることができます。

ダイアグラムの自動連携
データベースに入力された情報を元に、アクティビティ、シーケンス、ステート間の整合、ブロック図とブロック図の整合、振る舞いとの一貫性確認など関連するダイアグラムが自動で連動し整合性を保ちます。

トレーサビリティの確保
ステークホルダーのニーズから機能、論理、物理構造までがデータベースで繋がっているため、変更時の影響分析を瞬時かつ正確に行えます。

目的に応じた最適な情報表示
設計者、リーダー、経営層、顧客など、それぞれの立場に応じて必要な情報を、最適な形式(図、表、文書、HTML)で抽出して自動生成できます。

3. 図研のMBSEソリューション全体像
上流から詳細設計までを繋ぐ
図研の最大の強みは、GENESYSで構築したシステムモデルを、詳細設計へとダイレクトにつなぐ連携ソリューションにあります。
これにより、上流設計と詳細設計の間にある「壁」を取り払い、情報の整合性を確保します。

システム設計グループウェア
SIDEKICK
モデルデータをWebブラウザ上で共有し、関係者間でのレビューや合意形成を支援するGENESYSのオプションツールです。ダッシュボードによる進捗の可視化や、モデル要素に紐づいたコメント機能、タスク管理などにより、部門を跨いだ円滑なコミュニケーションと迅速な意思決定を促進します。

電気設計との連携
CR-8000シリーズ
GENESYS上のシステム要求を回路設計(Design Gateway)や構想設計(System Planner)へ引き継ぎます。設計者のスキルに依存した解釈のズレをなくし、上流の意図を正確に回路設計へ反映できます。

設計成果物の統合管理
DS-GENESYS
MBSEのモデルデータとCR-8000の設計成果物をプラットフォームで統合管理し、製品ライフサイクル全体でのトレーサビリティを実現します。

MBD連携による実証
MATLAB/Simulink連携
解析・シミュレーションツールと連携し、MBSEで定義したアーキテクチャの妥当性を、解析モデルを用いて早期に検証することが可能です。

4. 導入から運用定着までをトータルサポート
MBSEの導入は一朝一夕には進みません。図研では、お客様の現在の習熟度や課題に合わせて、戦略策定から実業務への適用、
その後の定着までを伴走型で支援する包括的なメニューを用意しています。単なるツールベンダーとしてではなく、
「人・プロセス・IT」の3要素を最適化するパートナーとして、
お客様がMBSEの導入効果を最大化できるまで長期的に伴走いたします。

ステップに応じた図研のMBSE伴走支援サービス
計画
MBSE導入アセスメント
現状の業務プロセスやデータマネジメントの視点から課題を抽出し、MBSE適用後の「あるべき姿」と導入ロードマップをご提案します。

知る・理解する
SE/MBSE基礎ワークショップ・トレーニング
システムズエンジニアリングの基礎知識から、GENESYSの操作習得まで、理論と実技の両面でスキルアップを支援します。

試す
PoC支援コンサルティング
お客様の実際の製品を対象にモデル化を試行し、導入効果の検証や業務プロセスとのギャップ把握を行うことで、導入前の不安を解消します。

実践する①
MBSE運用プロセス策定コンサルティング
PoCの結果を踏まえ、既存の設計プロセスと整合した「運用可能な業務フロー」を定義し、実業務への適用を確実なものにします。

実践する②
モデリングツール環境構築
策定した運用プロセスに基づき、GENESYSのデータ入力・活用ルールを整備し、円滑に設計業務を遂行できるITインフラを構築します。

展開・定着する
フォローアップ
実務適用開始後の課題や困りごとをキャッチアップし、運用のブラッシュアップや改善案を継続的に提示することで、組織への定着を支援します。
