Products
図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-Components Manager編-
2012.09.27
電子設計用CADの運用にとって、部品ライブラリの整備はシステム全体の運用性を高めるためにとても重要な前提条件となります。今回は部品ライブラリの維持・管理の負荷を軽減するための機能 を紹介致します。
部品ライブラリを管理するにあたり、余分なオブジェクト(※)を削除したり、オブジェクト間で の端子情報の整合性確認、複数のライブラリ間で発生する差分の管理など、とても重要であるにも かかわらず手間がかかるため実施に踏み切れないことがあるかと思います。
(※)オブジェクト:部品ライブラリを構成するパート、パッケージ、フットプリント等のこと
今回はComponents Managerの機能の中から、こうした運用管理に便利な機能を5つご紹介します。
どれもComponents Managerのルートメニューから実行できますので、ぜひお試し下さい。
■機能概要
- CDBライブラリ内に格納されている、全く同一内容のオブジェクトを検索、削除する【ライブラリパージ】
- 異なるCDBライブラリ間で差違があるオブジェクトをリストアップ、反映する【オブジェクト比較】
- パートデータとフットプリントデータの整合性をチェックする【データ整合性チェックツール】
- ネットリストを参照して、必要な部品のみを抽出したライブラリを作成する【サブセットライブラリ作成】
- 定型のコマンドを作成し、Components Managerから簡単に実行する【任意コマンド】
1.【ライブラリパージ】
PWSトランスレータによるCDB変換、アスキー入力による一括登録を行っている場合や、設計者が直接部品登録する場合、オブジェクトの名称ルールの変更など、ライブラリ内に同一情報を持つ別の名称のオブジェクトが複数格納されてしまう場合があるかと思います。その様なオブジェクトが存在すると、管理する上で効率的ではない状態となります。
このような状態を解消する為、【CDBライブラリ・パージ】があります。この機能では、特に冗長となりやすいピンアサインやファンクション、パッドスタック、パッドに対して、同一情報を持つオブジェクトを検索します。その中でマスターとなるものを選択、統合する事で、不要なオブジェクトを削除する事ができます。尚、不要なオブジェクトを削除する際、対象のオブジェクトが参照されている場合は、マスターに自動的に置換します。