Club-Z劇場
新人岡田君のちょいモテ設計者への道
【第10回】回路分割 ~一筋縄ではいかないんだなぁ~
編集:Club-Z編集部
監修:岡本ESA 事務所/岡本 彬良
2009.01.29
―前回までのあらすじ―
引継ぎがきちんとされていなかったとはいえ、いい加減な設計をしたため、EMC評価担当者の小輪井さんを怒らせてしまった岡田君。コテンパにされながらも、なんとか乗り切り一安心。そして、メインの担当製品も基板設計依頼まで漕ぎ着けた。
でも、まだまだ岡田君の知らない世界はあったのでした。
小輪井さんを激怒させてしまった悪夢の日を乗り越え、なんとか通常業務に戻ったオレ。
基板発注を任されていたプロダクトZは、様々なトラブルに巻き込まれながらも、基板設計会社へ設計依頼するまで漕ぎ着けた。まあ、この後も配置指示だったり、基板のチェックだったりと、いろいろとやることはあるのだが・・・
でも、とりあえず一区切りついた!そんな、束の間のある日。。。
「品川。ちょっといいか?」
土田課長に呼ばれる先輩。
品川さんは同じグループの一回り上の先輩だ。これまでたくさんの製品開発に携り、絶対に回避不可能と言われたトラブルをいくつも乗り越えてきたらしい。その経験とスキルは、あの若さで右に出る者はいない、と言われている。
というか、本人がそう言っている。
まぁ、調子のいい人だから全てを真に受けてはいけないのだが、、、やっぱり凄い先輩だとオレは思っている。何と言っても、モノづくりに対する思いがとても熱い人なのだ。
そんな先輩だから、今度の新製品のプロジェクトリーダーに選ばれたのだろう。あの呼び出しもきっと、新プロジェクトのことに違いない。
「今、品川がプロジェクトリーダーとして参画している例の新製品、明後日、回路分割のレビューするって言ってなかったか?」
「そうですね。」
「そうか、それはちょうど良かった!実はちょっと頼みがあってな。今回のプロジェクトメンバーではないんだが、岡田をそのレビュー会に参加させて欲しいんだ。」
「岡田ですか?」
「あぁ。あいつも色々と経験してきたし、そろそろ参加させてみてもいいんじゃないかと思って。今後必要になってくることだし、ちょっと勉強させてやって欲しいんだ。悪いがいいかな?」
「確かにいいタイミングですね~。分かりました。 じゃー、早速始めますか!」
くるっと振り返り、オレの方に向かってくる品川さん。
えっ?!何なに?!?!
「という訳だ、岡田!A会議室!」
「は、はい!」