Club-Zコラム第16回

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス

【第16回】成功パターンを基準にするのが進捗管理の精度を上げる

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造


2008.11.27

執筆者プロフィール
九州大学卒業後、日本HP入社(入社当時はYHP)。電子計測器、半導体計 測システムの研究・開発に従事した後、社内の開発製造革新プロジェクトで、 電気・電子設計およびソフトウェア開発のための統合システムを企画,開発。
この間に、日本HPにおけるソフトウェア・プロダクティビティ・マネジャー を兼務。日本HPの会社分割によりアジレント・テクノロジーに移籍した後、 この経験をもとに社外に対してコンサルティングを実施。その後、株式会社 RDPi を設立。 これまでに、家電、通信、電子機器、自動車業界に数十社の実績を持つ。ビジネスコンサル系とは一味違った開発現場やツールにも精通するコンサルタント。
著書(共著)に「デザイン プロセス イノベーション」「ザ・チェンジ」(どちらも日経BP)。また「日経ものづくり」での連載や「ソフトウェア開発環境展」専門セミナーなどのセミナーも多数実施している。

●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●株式会社 RDPi : http://www.rdpi.jp/
●著書 : book1.JPGbook2.JPG


前回は進捗管理の基本的な考え方を紹介しました。今回は、この考え方にしたがってどのような方法で実際に進捗を把握できるのかを紹介したいと思います。具体的な話に入る前に、基本的な考え方についてもう一つ覚えていただきたいことがあります。概論が続きますが、もう少しおつきあいください。


進捗管理の基本は、計画と実績の乖離を定量的に把握することでした(図40LinkIcon)。そして、必要最小限の進捗管理指標として基本メトリクスセット(図41LinkIcon)が効果的、効率的であることを紹介しました。したがって、基本メトリクスセットを使って進捗管理をするためには、基本メトリクスセットの各指標(メトリクス)について計画を立てておくこと、つまり、見積もりを作成しておく必要があります。


もう一つ覚えていただきたい考え方というのは、この見積もり作成の考え方です。ある程度仕組みが整った組織では、計画の重要性が理解されているので必ず見積もりを作成していますが、その作成手順や見積もり根拠は曖昧な状態になっていることが少なくありません。見積もりは属人的な作業になっていて、誰が見積もりを行ったかが重視されることになっているのです。


したがって、見積もり作成も仕組み化することが大切です。見積もりのための基準を作り、見積もりは必ずこの基準をもとに作成するという仕組みですが、この仕組み化ための基本的な考え方が「基準モデル」です。