Club-Zコラム第15回

印刷用表示 | テキストサイズ 小 | 中 | 大 |


clubZ_info_renewal.jpg

| HOME | コラム | グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス | 第15回 | P1 |

更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス

【第15回】単純ではない進捗の見える化

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造


2008.10.30

執筆者プロフィール
九州大学卒業後、日本HP入社(入社当時はYHP)。電子計測器、半導体計 測システムの研究・開発に従事した後、社内の開発製造革新プロジェクトで、 電気・電子設計およびソフトウェア開発のための統合システムを企画,開発。
この間に、日本HPにおけるソフトウェア・プロダクティビティ・マネジャー を兼務。日本HPの会社分割によりアジレント・テクノロジーに移籍した後、 この経験をもとに社外に対してコンサルティングを実施。その後、株式会社 RDPi を設立。 これまでに、家電、通信、電子機器、自動車業界に数十社の実績を持つ。ビジネスコンサル系とは一味違った開発現場やツールにも精通するコンサルタント。
著書(共著)に「デザイン プロセス イノベーション」「ザ・チェンジ」(どちらも日経BP)。また「日経ものづくり」での連載や「ソフトウェア開発環境展」専門セミナーなどのセミナーも多数実施している。

●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●株式会社 RDPi : http://www.rdpi.jp/
●著書 : book1.JPGbook2.JPG


この数回はプロジェクト管理の仕組みについて解説していますが、表面的な仕組みではなく、本質的な課題に対応したより進化・深化した仕組みにするための考え方をお伝えしています。本質にもとづいた仕組みであればより大きな効果に結びつきます。この連載で何かしらそのためのヒントになればと思っています。

さて、前回までは計画作成について解説しましたので、今回からは計画作成と一対と言っても良い進捗管理についてお伝えしたいと思います。進捗管理は簡単に言うと次の2つのことを実施することです(図40を参照のこと)。

  1. 計画に照らしてプロジェクトを監視する
  2. 計画との乖離に対する是正措置の実施を管理する


column_20081030_1.JPG

               

まず、「計画に照らしてプロジェクトを監視する」について考えてみます。「計画に照らして」というところが大切です。進捗把握は現状を計画と比較することからはじまるからです。つまり、計画できていないことを進捗管理することはできません。ときどき、計画はスケジュール(線表)を書くだけにもかかわらず、進捗がわからないという悩みを聞くことがあるのですが、本当に効果的な進捗管理をしたいのであれば、まずは計画に力を入れる必要があります。

計画を作成してそれと比較できるように実績を記録すること、それによって、計画と実績との間の差分(乖離)を明らかにすること、それが、進捗管理の最初のステップです。