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図研ベテランSEによる
知って得する機能解説 -ライブラリ編-
2009.11.26
部品ライブラリ(CDB)のバックアップ方法についてご紹介する前に、CDBについて、ご存知ない方がいらっしゃいましたら、こちらをご覧下さい。
部品ライブラリ(CDB)の概要
それでは早速、データのバックアップ方法についてご紹介致します。
■部品ライブラリ(CDB)のバックアップ
CDBのバックアップはパートライブラリ(prt)、パッケージライブラリ(pkg)、フットプリントライブラリ(ftp)の3つのファイルを定期的に保存することになります。通常はバッチファイルを作成し、スケジューラーで指定時刻にバックアップを実行するという運用が想定されます。ただ、処理がうまく実行したのか、エラーはないのかなど、確認したいけど毎日確認するのは煩わしいし、仕組みを作り込むのも面倒だ、なんて事はないでしょうか?
CR-5000に予め用意されているCDBバックアップコマンドを利用すれば、次の処理を簡単に実行することができます。
- CDBの各ライブラリをアスキーファイル形式で保存
- バックアップの実行結果をメールで送信
- 複数世代のバックアップを残すことが可能(指定された世代以外は自動で削除)
■実行方法とパラメータの設定(Windows版)
実行方法は以下に格納されているCDBバックアップコマンドを実行するだけです。
(CR-5000 インストールディレクトリ)\bin\cdbbackup.vbs
処理の設定に関しては、上記コマンドをテキストエディタで開いて編集することで変更することができます。
なお、修正可能な部分は下記の項目のみとなりますのでご注意ください。
■パラメータの設定
- バックアップ対象とする各CDBライブラリのファイル名を指定します。
- 作成したバックアップファイルを格納するディレクトリ名を指定します。
- 何世代分のバックアップを残すか指定します。
- 実行結果をメールで送信する場合、メール送信者を「送信者名<メールアドレス>」のフォーマットで指定します。送信者名には、アスキー文字以外は使用しないで下さい。
- 実行結果をメールで送信する場合、メール受信者のアドレスを指定します。半角スペースで区切ることにより、複数指定できます。
- 実行結果をメールで送信する際のメールのサブジェクト
- 実行結果をメールで送信する場合、メールのサブジェクトを指定します。上記の例の場合「Result of cdbbackup.vbs (実行日時)」となります。サブジェクトにはアスキー文字以外は使用しないで下さい。
- 実行結果を記録するログファイル名をBACKUP_DIRに指定されているディレクトリからの相対パスで指定します。
■定期実行の設定
定期的に実行する場合はOSのタスクスケジューリング機能を利用すると簡単で安全にバックアップを行う事ができます。
Windows® XPの場合「すべてのプログラム」-「アクセサリ」-「システムツール」-「タスク」-「スケジュールされたタスクの追加」で起動するウィザードにしたがって、CDBバックアップコマンドが定期的に実行されるように設定します。
【Windows XP でタスクのスケジュールを設定する方法】
http://support.microsoft.com/kb/308569/ja
■実行結果
CDBバックアップの実行結果は以下のフォーマットでログファイルに追記されます。メールに送信される内容も同じです。
実行時間
パートライブラリ名
パートライブラリのバックアップ結果
パッケージライブラリ名
パッケージライブラリのバックアップ結果
フットプリントライブラリ名
フットプリントライブラリのバックアップ結果
結果内容はこちら
■バックアップファイルからの復元
バックアップファイルからCDBの各ライブラリを復元する場合、以下のプログラムを実行して新規にライブラリを作成してください。
- パートライブラリアスキー入力プログラム「partconv」
- パッケージライブラリアスキー入力プログラム「pkgconv」
- フットプリントライブラリ登録プログラム「ftin」
■補足事項
CDBバックアップコマンドを実行するには、スクリプトエンジン”VBScript"が実行可能な環境である必要があります。
また、「CDBバックアップコマンド」はWindows以外にも、Unix版のコマンドも用意されています。詳細につきましては、CR-5000/Board Designer、Board Producer環境構築ガイド 4-8CDBバックアップ に記載があります。そちらもご参考にしてください。
Windowsの「スタート」→「プログラム」→「CR-5000 Board DesignerXX」
→「ドキュメント」→「環境構築ガイド」
→「Board Designer/Board Producer 環境構築ガイド」
→PDF目次より「第4章 部品ライブラリの構築」→「4-8 CDBのバックアップ」