Club-Z機能解説:DR編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

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図研ベテランSEによる
知って得する機能解説 -Circuit DR-Navi編-

2008.08.28

基板設計後の検証ポイントが、個人任せではなく、組織で共有化されると、プリント基板の設計品質にバラツキが少なくなります。そして、その検証ポイントを、設計段階から意識することができれば、手戻りを最小限に抑えることが可能です。

後から指摘される項目が分かっているなら、事前に対策しておき、デザインレビューもバッチリ!で、次の工程に進みたいですよね。

検証ポイントとなる項目を設計指示としてまとめ、さらに、CAD上のオブジェクトと紐付けて管理することができるツールと、そのツールを用いた効果的な運用について、ご紹介いたします。


【配線パターンを見やすく表示する -BD-Viewer Advance および Lightning/Inspect- 】

はじめに、基板図面を確認するための便利なツールについて、ご紹介します。

両面基板、4層基板においても、配線パターンを確認するために、紙図面を出力して色塗りをしたりするのは、なかなか大変な作業です。高密度で多層に渡る配線パターンを紙図面で検図することは・・・もはや限界を超えています。

検図するときは、まず、見たい箇所を見やすく表示させることが重要!BD-Viewer Advance および Lightning/Inspectは、回路設計者の見たいところを快適に表示してくれるツールです。

選択した配線パターンを通常表示にして、周りのオブジェクトをグレーで表示する「ローライト機能」(図1)は、まさに目的のオブジェクトを見やすく表示する機能です。周りとの干渉も確認できますし、ダンピング抵抗を介した配線も、一連のオブジェクト(Eネット)と認識されますので、電気的な観点での検図を可能とします。


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さらに、回路データとの通信が可能です。回路設計者が自分で設計した回路図のCADデータから、気になるネットを選択して通信すると、基板データのどこを引き回されているのかが、一発で確認できます。また、ビュー操作コマンドをキー割付することで、コマンドメニューを覚えなくても、簡単に表示層の切り替え、ズーム、パンなどが可能です。

これでもう、色鉛筆で配線パターンを塗らなくても大丈夫ですね。


【検証ポイントを素早く表示する -Circuit DR Navi-】

基板図は見やすくなりましたが、実は一番肝心なのは、どこを見ればよいのか、ということ。これは検図を行なう個人のスキルに依存する部分でもあります。多くの場合は、基板設計への指示内容が守られているかどうか、を検図することになります。また、チェックリストに従って、対象のオブジェクトを特定し、図面のどこにあるのか探し出す、といった作業をされているかもしれません。

その設計指示内容やチェックリストの内容をリスト化して、CADの通信機能を活用すれば、より効率的な検図が可能になります。

Circuit DR Navi は、設計指示を電子化して、CAD上のオブジェクトと紐付けを行ない、さらにCADとの通信機能(クロスプロービング)を用いることで、図面上でチェックの対象となる箇所を素早く表示することができるツールです(図2)。

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もし普段、表計算ソフトやワープロソフトで基板設計者への指示内容を伝えているのであれば、同じようにその内容(指示内容と対象箇所)を Circuit DR Navi に入力してください。すると、後で基板図を検証するときに、その Circuit DR Navi から、ポンポンと対象箇所をアジャスト表示することができます。

データを確認した履歴は、Circuit DR Navi の結果欄に入力し、確認漏れを防ぎます。また、判定の根拠となるようなドキュメントがあれば、ドラッグ&ドロップで割付けられ、もちろんオープンすることも可能です。

基板検図の工程は、出図直前のイベントであることが多く、時間的な余裕の少ない中で実施されることが多いようです。そこで効率的な検図ができれば、単なる検図作業時間の削減に留まらず、直接的に設計品質を高めることに繋がっていきます。