Club-Z特集
製品開発における構想設計の重要性(その2)
「 System Planner 登場!」
~ 構想設計支援ツールが開発プロセス全体にもたらすメリットとは? ~
2007.09.20
■ System Planner開発の背景
ブロック図検討/フロアプラン/3次元構成検討など、一般リリースには至りませんでしたが、それぞれの詳細な分野における検討ツールはすでに研究開発が進行していました。
一方でここ数年、デジタル民生製品においても、多くのバリエーションを低コストで、なおかつ高品質なものを求められる時代になってきました。
お客様の製品設計においても、分野を跨いだ設計変更や、事前検討の必要性が非常に高まってまいりました。回路は単基板だけではなく複数基板で、その実現性/実装性を検討する必要があり、なおかつ、筐体との関連性も考えなくてはならなくなっています。
こういった背景があり、図研は、研究開発していた製品をバラバラで扱うより統合した1つの製品としてお客様へ紹介した方が、設計現場に受け入れやいと感じました。薄型テレビやデジタルカメラ、カムコーダ、携帯電話など、設計内容は複雑化する一方です。詳細設計に入る前に、製品全体を様々な視点から概要設計できる環境が求められていると思います。
「私たちの開発と市場ニ-ズがいよいよマッチしてきたので満を持してSystem Plannerを世に出すことになったのですよ。」とIさん。
自信に満ちたお話に体格の良いIさんが心なしか、さらに大きく見えます。
■ お手本がない!!
System Planner の開発上、ベースになるものは、こんなことだと思います。
製品全体を複数の視点で表現することができ、それぞれの視点が連携しており、また、詳細設計のデータを扱うことができるが、操作性は簡単にし、複雑な仕組みを感じさせないユーザーインターフェースが必要。曖昧なものの表現ができるが、詳細設計とも連携をとらなければいけない。これらのバランスをとりながら、システム開発をしていくことが非常に困難でした。
また、幸か不幸か他社でここまでの内容を実現している製品はいまのところありません。そのため、この領域の設計手法は、ほとんど確立されておらず、各社各様(または各者各様)の手法で行われており、なかなか汎用的な手法に落ち着かせられないこともありました。