Club-Z劇場
サッスガ!部品ちゃん
【最終話】 ~新たな課題は~
2009.11.26
■技管、最後の日 狭間は、9月末までに、流石電気におけるデジタルものづくりのグランドデザインと、様々な課題からいくつかをテーマアップして、その構築計画を立案し、回路設計部へ異動することになった。 |
■飲み会
回路設計部の狭間歓迎会が続いていた。
(ガラガラガラ)
(合田) 「お疲れー!ビールくれー!田中君は?」
(田中) 「お疲れ様ですー、私もビールで。」
(細川) 「あ、機構設計の合田課長と田中さん!遅かったじゃないですか~」
(合田) 「狭間、おまえ、良かったじゃないか。回路設計部に戻れてよ。(グビグビ)」
(狭間) 「えー。おかげさまで。」
(田中) 「この3年でいろいろ良くなったもんね。狭間くんのおかげよ。(グビグビ)」
(狭間) 「いえ、そんな。僕なんか一人じゃ何も・・・」
(合田) 「そうだ、オレ様のおかげだな。(グビグビ) おかわりー!」
(狭間) 「はやっ!」
(田中) 「こっちも、おかわりください!」
(狭間) 「えー!すごいですね。」
(合田) 「なにが?(グビグビ)」
(田中) 「なにがよ?(グビグビ)」
(狭間) 「いえ、そのー・・」
(合田中) 「おかわりー!」
(狭間) 「・・・サッスガ」
(ガラガラガラ)
(大泉) 「お疲れ様です、ん?」
(麗子) 「お疲れ様です。」
(谷川) 「おー、待ってましたよ!それでは皆さん揃いましたので、改めまして・・・」
(一同) 「カンパーイ」
■2009年11月26日
(細川) 「狭間、サービスマニュアルのワーキングは今日だったよな。」
(狭間) 「はい。これからです。でもなかなか進まないんですよねー。」
(細川) 「麗子さん、相当テンパってきてるんじゃないか?お前、何とかしてやれよー。」
(狭間) 「はい。とりあえず行ってきますね!」
新たな課題は、どれも前向きなものだった。その先には、流石電気のものづくりを支える革新的な環境が見えていた。しかし、希望通り設計に戻った狭間だったが、大事なときに、ひとり技管を離れることになってしまったことを、気に掛けていた。
会議室に向かう途中、技管のフロアを通りかかったとき、大きな声が聞こえてきた。
「麗子さん、大丈夫ですか?」
「麗子さん、麗子さん!!」
廊下から部屋に入ると麗子の席に数人が集まってきている。
(狭間) 「どうかしたんですか?」
椅子から転げ落ちそうになりながら、麗子は右手の人差し指でディスプレイを指差し、左の手のひらで大きく開いた口と鼻を覆い、震える小さな声で何かつぶやいていた。
(麗子) 「部品がぁ・・・部品がぁ・・・電解コンデンサが・・・」
周りは心配そうに麗子に声を掛けている。狭間が回路設計部へ戻ってからは、確かに負担が大きくなっていたから、奇妙に映る今の麗子の様子を見て、皆が心配した。
狭間にも何も見えなかったが、これで大丈夫だと思った。
(狭間) 「サッスガ!部品ちゃん」
(完)