(麗子) 「狭間くん!大丈夫?」
(狭間) 「ぶ、部品ちゃん!」
(麗子) 「え?美人ちゃん?って私のこと?」
『あーっ、イライラする!!さっきから聞いてれば、このヘナチョビンが!!』
(狭間) 「(だ、だって回路設計部に行くし。)」
『無責任すぎるわ!技管の検討課題にしておいて、何もしないつもりなんでしょ!』
(狭間) 「無理だよ。一人じゃできっこないよ!」
(麗子) 「わー、良かった。一人では不安だったの。協力してくれるのね?」
『ちゃんと一人でやってたじゃない!だから私はいなくなったの。それなのに、あんたがいじいじしてるから、また出てきちゃったじゃない。どうしてくれんのよ!!きーっ*』
(麗子) 「狭間くん!どうしたの?」
(狭間) 「だ、大丈夫です! そうですよね。麗子さん一人じゃ無理ですよね。私に出来ることなら、なんでも協力させていただきます。」
(麗子) 「ありがとう!助かるわ。」
『あったりまえよ!だいたいね、課題が増えることを面倒だと思っている節があるのよね!!』
(狭間) 「(そりゃやっぱり課題が無いに越したことは無いでしょ?)」
『詳細な3Dにしたことで、いろんなことが出来るようになったって証拠でしょ。つまり、課題を解決していけば、今より良くなるんだから、良いことじゃないの。もっと先を見なさい!全体を考えなさい!』
(狭間) 「(そうだけど・・・分かったよ。部品ちゃんも戻ってきてくれたみたいだし。また一緒に頑張ろう!)」
『私は次の仕事で忙しいの。技管で残された時間、何が出来るかちゃんと考えなさいよ。』
そう言い捨てると、部品ちゃんは動かなくなり、もう二度と狭間に話しかけてこなかった。
(狭間) 「ほんと、口うるさい部品だな。仕方ねーな。やるしかないかっ!」
狭間の心に、もう迷いはなかった。
|