サッスガ!部品ちゃん

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

サッスガ!部品ちゃん

【最終話】 ~新たな課題は~

2009.11.26

次の日。 狭間はいつも通り朝起きて、いつも通り出社し、席に座った。そして、昨日ダウンロードした部品ちゃんモデルをCADで開いた。
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(狭間) 「(おはよう!部品ちゃん・・・)」

爽やかに挨拶する狭間だったが、ピンク色の電解コンデンサは、今日も無言。もしかしたら・・・と心のどこかで期待していた分、彼は落胆した。

プルルルル プルルルル プルルルル(ガチャ)

(狭間) 「はい。」
(細川) 「狭間か?あのさー、3Dの詳細モデルで運用できてきたんだけど、ここまでできていれば、空間距離とかを実機を用意しなくても測れるんじゃないかな?ほら、複数の電源基板間の一次と二次とかバスバーとのクリアランスは実機検証でしょう?そういうのをせっかく詳細形状があるなら事前にチェックできないかと思って。」

回路設計部では、担当する製品の安全規格の申請にあたり、筐体内で電位差を考慮した空間のクリアランスを確保していなければならない。今までは試作機をものさしで計測し、実機試験をしながらカットアンドトライしていたが、設計段階で検証できれば、大幅な工数とコストの削減になると細川は考えたのである。

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(狭間)「そうですね。じゃあ技管の検討課題にしておきます。」


『・・・』


(麗子) 「狭間くん、昨日見つけたePartFinderというサイトから3Dモデルを落としてみたんだけど、やはりライブラリ化するには、うちのフットプリントの原点位置や角度に合わせる必要があるわね。ほら、以前、メカ設計者が個々にモデリングしていたときにも、ライブラリ化するために結構苦労したでしょう?同じような課題がありそうよ。」

サイトから提供される3Dモデルには、モデル作成側で決められた原点がある。流石電気で用意したプリント基板のデータには、自社で決められた原点を持つ2Dのフットプリントデータがあり、3Dモデルに置き換えるときは、その原点が基準となるため、双方で座標を合わせておかないと、意図しない座標に3Dモデルが置かれてしまうことになる。その整合性を確認し、合わせこむ作業が発生することを麗子は指摘した。

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(狭間) 「そうですね。じゃあ技管の検討課題にしましょう。」

drama_20091126_3.JPG 『・・・』

詳細モデルに置き換えた運用が軌道に乗ってくると、これまでには無かったような業務のアイデアが、設計や技管からだけでなく、様々な部門から持ち上がってきた。
生技部門では既に、その視認性を生かして生産準備資料や組立工程設計に詳細モデルが活用されていた。また、そのアイデアは製品開発のプロセスだけに留まらず、顧客への製品紹介資料に使いたい、といったリクエストが営業部門からあがるなど、部署を超えて次から次へと新たな要望としてあがってきた。さらに・・・

(大泉) 「麗子くん。さっき回路設計部の部長さんから聞いたんだけど、どうやらサービスマニュアルを作成している保守サービス会社で、サービスマニュアルに詳細3D形状を活用できないか、という打診があったそうだ。担当者を紹介して欲しいとのことなので、君にお願いしようと思うんだが、どうだね?ん?」
(麗子) 「はい、わかりました。」

製品のメンテナンスを行うサービスマンが使用するマニュアルも3Dの詳細形状であれば分かりやすくなる。詳細モデルを使ったアイデアは、アフターサービスにまで発展していったのである。
そして、サービスマニュアルの作成や運用といった部分では、元設計者の狭間のほうが適任であったが、大泉課長は、狭間が回路設計部に異動することを考慮して、麗子を指名したのだった。

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(麗子) 「狭間くん、私はあまり関わったことがないので、一緒に参加して欲しいんだけど・・・。」
(狭間) 「え?あーでも。。。大丈夫ですよ、麗子さんなら。実は私、来月から・・・」



『な~っに、寝ぼけたこと言ってんのよ!!』



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そのとき、狭間のPCからピンクの円筒形のボディが現れた。