サッスガ!部品ちゃん

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

サッスガ!部品ちゃん

【第3話】 ~もう大丈夫~

2009.10.29

■2008年6月■

製品開発が進むにしたがって、徐々に設計者が作成した電子部品の3Dモデルが上げられてきた。しかし、それをライブラリ化して設計者が共有して使うためには、いくつかの課題があった。

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狭間は、機構設計者から上がってくる3D電子部品モデルデータの確認作業と修正作業に追われた。問題となる部分は、設計者にフィードバックし、次回から改善するように伝えていったが、電子部品のモデリングに関しては、狭間が【依頼する】側で、設計者は【依頼される】側という立場のため、ルールを強制することはできなかった。さらに、3Dモデルの修正においては、モデリングした設計者に確認しないと、どのように修正してよいのか分からないケースが多く、またそれが、設計者の負担になっていた。

『なんか、前より忙しくなっちゃったみたいね。』

(狭間) 「(やっぱり部品ちゃんの言うとおり、ライブラリ登録は集約してルールに基づいてやったほうがいいのかな。。。)」

流石電気の技管で言えば、ライブラリチームがその役割に相当するが、新たにメカCADの操作を習得し、しかも初期ライブラリ整備のボリュームをこなすことは、現実的ではないと考えられていた。

(狭間) 「(あー。3D電子部品、簡単に作れないかな。)」

狭間は思いつくままに、検索サイトにキーワードを入力した。 [ 3D電子部品 簡単に]
すると・・・

(狭間) 「(むむむ!ePartCatalog・・・3D電子部品モデルのテンプレート集か・・・図研?って回路設計部で使っていたCADの会社だよな。ちょっと検討してみるか。)」

■2008年9月■

狭間は、ePartCatalogという製品を調べるため、技管から図研の営業窓口へ問い合わせて、その詳細について説明を受けた。図研によると、ePartCatalogLinkIconの特長は、次のとおりだった。

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流石電気では、これから揃えようとしているライブラリの多くが、簡単に手に入ることに加えて、これまで設計者任せで、統一されていなかった3Dモデル作成が、技管のライブラリチームに集約して運用ができそうだということが、最大の決め手となり、ePartCatalogの導入が決まった。

さらに、ePartCatalogのベースとなるV54EELinkIconというメカCADは、流石電気で使用している電気設計レイアウトCAD:CR-5000/Board Designerで設計したプリント基板を、中間ファイルを介さずにダイレクトに3次元化し、かつ、電子部品を詳細形状へ一括置換することが可能だった。

狭間は、早速運用の見直しを行い、新環境の構築とその後の展開作業を進めていった。
まず、ePartCatalogで既に用意されている形状から、流石電気で使用するモデルを抽出して、設計者が使えるようにライブラリ化した。そして、電子部品のモデリング作業は技管ライブラリチームで行うこととし、設計者からの新規部品登録申請時に順次用意していくこととした。ePartCatalogを使用したモデル作成に加え、コネクタやスイッチなど、形状が一品一様の部品は、デバイスメーカーへのモデル提供依頼を行い、それでも用意できないものは、狭間が中心となって、自社でモデリングを行っていった。

展開が始まると、各設計部門では、これまでよりも、スムーズなデータ連携と詳細な確認が可能なバーチャル検証環境が実現し、レビュー会で部品ちゃんが干渉問題を指摘する機会は大幅に減少していった。

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