サッスガ!部品ちゃん

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

主人公の狭間は、自分にだけ声が聞こえる3D電子部品モデル「部品ちゃん」と協力し、流石電気技術部のエレメカ協調設計を支援していた。

プリント基板を3D化し、エレキとメカのデータ連携による運用は、一定の効果を発揮したが、さらに追い込んだ設計や検証漏れをなくしたいという、設計者からの要求に対応するため、詳細な電子部品の3Dモデルを用意することに・・・。

当時狭間は、エレメカ運用の推進役として、検証作業やレビュー会への参加など、部品ちゃんとともに多忙なスケジュールをこなしていた。それに加えて、元々は回路設計部の人間。自分で3DCADを使用して、電子部品のモデリングを行うことに不安を感じていた。

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『何ゴタゴタ言ってんの?やるしかないでしょっ!』

今日も、ちっちゃいけど頼もしい相棒、部品ちゃんの檄が飛んでいるようです。


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【第3話】 ~もう大丈夫~

2009.10.29

人物相関図
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■2008年1月■

(狭間) 「(あけましておめでとう、部品ちゃん。大発会の日経平均はだいぶ下がったね。いったい今年はどうなることやら。)」

『はいはい。そんなことより!今年はいよいよ詳細モデルを準備するんでしょ?時間ないんだから、さっさと仕事しなさ~っい!』

過去も含めて、流石電気で使用されている電子部品の型名数は、十万点を超えていた。その中から、初期に揃える形状として、利用頻度の高いものを選定し、1000点に絞った。そのモデリング工数を想定するために、まず、過去一年間で利用回数の多かった部品10点を選定し、そのモデリング作業に取り掛かった。


2週間後。 日々の支援業務をこなしつつ、選定した10点の部品のモデリングが完了した。

(狭間) 「(あー。疲れた。大体1点あたり3時間ってところかな。1000点で・・・)3000時間!」
(大泉) 「ん!どうしたのかね、狭間君?疲れたか?ん?」
(狭間) 「先日選定した部品の初期モデルを揃えるためには、3000時間の工数が必要なんです・・・」
(麗子) 「3000時間ということは375人日、つまり18.75人月となります。外部に依頼するとおよそ1125万円~1500万円の費用が掛かる計算になります。」

『なんなのこの人!?計算速すぎない?』

技術管理課の大石麗子は、品番登録やフットプリント登録を行うライブラリチームに所属している。狭間より1つ年上で、狭間と背中合わせの席に座っている。彼女の仕事は速く、しかも正確である。

(大泉) 「困りましたね・・・。機構設計部に相談してみましょうか。ん?合田課長に頼んでみますよ。」
(狭間) 「でも、付帯業務だと思われそうで少し心配です・・・。」

技管の大泉課長は、普段からメカCADを駆使している機構設計部なら、もう少し効率的なモデリングができると考えていた。早速、機構設計部の合田課長に相談を持ちかけ、現実的に対応可能かどうか、試算することになった。その結果、メカCADのパラメトリックの機能をうまく使うことで、寸法違いやピン数違いの形状は、比較的短時間で作成できることが分かった。

(大泉) 「どうでしょうか。ん?」
(合田) 「どうなるか、やってみないと分からんが、まずは皆で分担して、やってみますよ。」
(狭間) 「すみませんが、よろしくお願いします。」

こうして、流石電気では、機種のメカ担当者が、使用する電子部品を徐々にモデリングしていくことで、3D電子部品のライブラリを整備することになった。

(狭間) 「(これで一安心だ。)」

『設計者が協力してくれるのは良いんだけど、本当は、3Dライブラリの担当者を用意した方がいいと思うの。ライブラリの作成を設計に任せてしまうと、あとで大変になりそう。みんなちゃんと作ってくれるかしら。。。』

(狭間) 「(技管では厳しいから、現状は、これがベストだと思うよ。部品ちゃんも心配性だなぁ~。)」