ちょいモテ設計者への道

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

新人岡田君のちょいモテ設計者への道

【第11回】プリント基板の仕様決め ~集大成!~

2009.02.26

「配線長は・・・ スキューは・・・特性インピーダンスは・・・だ。
別のY基板は、メモリとFPGA間のデータ転送が、X基板よりもっと早い。
層構成も変更になるから、ここは解析専門の加瀬に任せて必要な設計ルールを作ってもらわないといけないな。」

「あの・・・設計ルールが厳しくなると、基板設計側は余計負担になっちゃいませんか?」
「わかってないなぁ~、お前。厳しくする為に解析してもらうんじゃないんだぞ。デザインガイドLinkIconのルール通りに基板設計できればいいけど、実際の基板設計では、そうはいかない事も多々あるんだ。そんな場合、どうする? そのルール通りではなくても、結局の所、モノが正しく動作すれば問題無いわけよ。だから加瀬は、動作上問題が無い範囲で、ウチの基板仕様等に沿った設計ルールを作り直しているんだ。基板設計の自由度を高めるようにね。」
「そういうことだったんですね!解析してルールを決めるって事は基板設計の負担になるだけのものかと思ってました。」
「動かないと、それこそ一大事だろ。前みたいな事にならないようにしっかりルールは徹底する。でも一方で、できるだけ基板設計側の視点に立った配慮も怠らない。これが重要なんだぞ。」
「目からウロコですね!
ところでどうやって基板設計会社に情報を伝えるんですか?」
「そこには、Lightningを使ってくれ。これを使うと、基板CADを持っていなくても基板設計会社が使っている基板CAD、CR-5000/Board Designerへダイレクトに設計指示を渡すことができるんだ。しかも、高速デジタル系の基板設計指示に有効な機能が揃っているから、便利だぞ~。操作も簡単だしな。
今までは、メールやドキュメントで制約条件を指示したり、配置やバスの流れも、VISIOなどのお絵かきソフトで作って渡していたんだが、これだと指示やイメージが伝わらなかったり、伝えるのに苦労したんだ。。。だから、ルールを徹底してもらう事が出来なかった。でも、Lightningならその点、安心だ!設計指示をこちらが指示した通り、そのまま伝えることができるからな。つまり、きちんとルールを守ってもらえるって事だ。」


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「これで大体流れは分かったろ。これまでの集大成って感じだろ?じゃ、あとはよろしく頼むなぁ~、岡田。」
と言ったかと思ったら、ほら行け、とばかりに資料を押し付ける土田さん。

うん!?!?
あぁぁあぁぁぁぁーーーーっ*

気付いたら、すっかり巻き込まれてるじゃん、オレ。。。


 (次回へつづく)

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●監修者プロフィール
岡本 彬良 (おかもと あきら)
1948年生まれ。 1969年、呉工業高等専門学校 電気工学科卒業。同年、松下電器産業㈱入社。 電気設計、機構設計、IC開発に従事。 1980年、コンピュータの判る設計者としてプリント基板CAD導入立上げに参画。以来、機構CAD・社内LAN・サーバ管理・LA・PDMと技術部門の情報システム全般に担当範囲を拡大。
2005年、同社を退職。
現在、岡本ESA事務所を開設し、プリント基板設計・技術情報システムの著述・コンサルタントとして活動中。エレクトロニクス実装学会会員。神奈川県 技術アドバイザー。
著書として、「よくわかる プリント基板回路のできるまで」「よくわかる プリント基板実装のできるまで」(ともに日刊工業新聞社)等がある。

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