設計環境のセキュリティ

図研ネットウエイブ株式会社

2011.02.24

（あらためて席に着く3人）

（杉さん） 「さて、まずはなにより、ネットワークがクローズな環境でもウイルス感染の可能性がある、という認識を持つことですね」
（まもる） 「油断はあかんちゅうことですか」
（杉さん） 「その通りです。ウイルスの被害は最近は減少傾向にあるんですが、自分たちには関係ないと高をくくってはいけません。実際今回もクローズ環境で感染してしまっているわけで、そうなってからでは手遅れですからね。事前の対策が必要です」
（ホゴ） 「その意味では、うちはほとんど無防備だったかもしれません」
（杉さん） 「私のお客様でも、同じような状況にあるところは結構あるんですよ。そうしたところを含めて、これからは『ウイルス感染しても、いかに被害を最小限に抑えるか』という考え方に変えることが重要なんです、とご説明しています」
（まもる） 「ふーん、それって『泥棒に入られても盗ってくもんがないくらい何もない部屋にしておけ』みたいなもんやろか」
（ホゴ） 「なによその突飛な喩え・・・」
（杉さん） 「いや、『被害ありき』で備えをしておくという意味では、あながち突飛というわけでもないかもしれませんねぇ」
（まもる） 「ほれ見てみぃ、杉さんお墨付きやん・・・ックション、ハァァックショーーーン!!」
（ホゴ） 「ちょっとやだっ、お客様の前でウイルス撒き散らさないでよっ！」
（まもる） 「そんな怒らんでも問題ないやろ、マスクしとんのやから」
（杉さん） 「一番安価な風邪対策ですよね」
（まもる） 「立体仕様でも1枚20円しよらへんのですよ。この時期ほんま助かりますわ」
（杉さん） 「そうそう、製造ラインのウイルス対策でも、コストを抑えるられるかどうかというのは重要なポイントです」
（ホゴ） 「確かに、初期費用やランニングコストがあんまり高いと、導入のハードルが上がってしまいますよね。でも、サーバー用意して、ウイルス対策ソフトを構築して、不正侵入アクセス対策を構築して・・・と積み上げていくと、結局はかなりの金額になってしまうんじゃないですか？」
（杉さん） 「それが、UTMタイプの製品を利用することによって抑えられるんです」
（まもる） 「ATMって何ですか？」
（ホゴ） 「AじゃなくてU！」
（杉さん） 「UTMというのは、統合型のセキュリティ製品のことです。一台でAntiVirusや不正侵入対策などの機能を持っていて、非常にコストを抑えて利用できるんです」
（ホゴ） 「それは素敵ですね」



（杉さん） 「さきほども言ったように、ウイルス感染した際、いかに被害を最小限に抑えるかという点を考慮すれば、ベストな環境は『制御装置1台に対してUTMが1台』です。そうすれば、今回のように1台がウイルス感染しても、それ以上は広がりません」
（まもる） 「でも1台あたり数十万円から数百万円して、さらにランニングコストも結構かかるんとちゃいますか？」
（杉さん） 「いやいや、こういうケースですと1台あたり十数万円で導入できます。ランニングコストも月数万円で、一度感染して、ラインを止めて生産を遅らせることと比較すれば、非常に安いです」
（まもる） 「でも、製造ラインも何本かあって、いろんな装置がたくさんあるからなぁ・・・」
（杉さん） 「ベストな方法が当然お勧めですが、ベターな方法としては、コストをさらに抑えて2～3台の制御装置に1台のUTMという割合で利用することもできます。ただし、万が一のウイルス感染時にはその2～3台が同時に被害に遭って、駆除も台数分必要になりますけどね」
（ホゴ） 「コスト面でのメリットは大いにあるとして、あと気になるのは導入までの手間ですね」
（杉さん） 「その点でもハードルは低いですね。透過モードが用意されているUTMであれば、ネットワーク構成を変更することなく直ぐに利用できます」
（ホゴ） 「それは、構築する私たちにとれば非常にありがたいですね！」

（杉さん） 「とにかく、目的は今回のように製造ラインを止めないこと！これを実現するためには早急な対策が必要です」
（まもる） 「あっ！そう言えば、製造部さんに対処方法を連絡すんのを忘れとった！」
（ホゴ） 「杉さん、どうすればいいですか？」
（杉さん） 「残念ながら、今回はどうしようもないですね。インフルエンザも同じですが、かかってしまう前に予防が必要なんです。予防接種なしにかかってしまえば、インフルエンザと同様に時間をかけてじっくりと対処して、熱が下がるのを待つしかありませんね」
（まもる） 「ということは？」
（杉さん） 「ラインを止めて、ウイルス感染した端末を再インストール。それと当然、設定し直しですね」
（まもる） 「ふー・・・今日も彼女とのデートはお預けか・・・」
（ホゴ） 「彼女って、どうせバーチャルの世界だからどうでもいいじゃない」
（まもる） 「ハーァ・・・ックション！ハァアックション！」
（ホゴ） 「彼女にはウイルス感染しないから良かったわね～。ふっふっふ。さて、じゃぁ杉さん、本来の議題に戻して、弊社のネットワークインフラについてアドバイスいただけますか？」
（杉さん） 「いーですよーッツクション！ハァアックション！ハァアックション！すみません。わたしもいよいよ花粉が・・・ァアックション！」