設計環境のセキュリティ

図研ネットウエイブ株式会社

2011.02.24

接客室に向かって歩く、まもる君とホゴちゃん

（まもる） 「ハァアクション！ハァアクション！」
（ホゴ） 「汚いわねぇ。こっち向いてクシャミしないでよぉ」
（まもる） 「誰かが私を噂しているぅ♪♪」
（ホゴ） 「誰がすんのよ・・・」
（まもる） 「それより普通、『風邪ひいたの？インフルエンザじゃなぁい、大丈夫？』くらい言わへんかな？」
（ホゴ） 「毎年、あなたこの時期、花粉症って決まってるじゃないの・・・」
（まもる） 「覚えてくれててありがとう」
（ホゴ） 「それに、あなたになんかウイルスも寄り付かないわよ」
（まもる） 「ヒドイ・・・」

（ホゴ） 「それより、今から何の打ち合わせか、わかってるの？」
（まもる） 「ネットワークインフラの見直しやろ」
（ホゴ） 「そう。この間いらしていただいたネットワーク・アセスメンターの杉村さんとね。杉村さんってネットワークの世界に20年以上携わってて、この業界では『杉さん』って呼ばれてる有名人なのよ」
（まもる） 「その杉さんって呼び方、猛烈な“杉の木花粉症”の自分としてはちょっと好かんわぁ。それに、汗・吸う・セメントって、新しい素材みたいやけど何なんや？」
（ホゴ） 「・・・」

（ホゴ） 「お待たせしました。紹介します。私と一緒に情報システムを担当している、鈴木まもるです」
（まもる） 「はじめまして。鈴木です」
（杉さん） 「こんにちわ、杉村淳です。よろしくお願いします。さて、今日はまず、御社の現状の環境を教えていただいて・・・」
（ピロピロピロ、ピロピロピロと、まもるの内線携帯が鳴る）

（まもる） 「ちょっといきなり、すいません。はい、鈴木です」
「××××××××××××××」
（まもる） 「えー、製造装置のコントローラーの画面がおかしい？？」
「××××××××××××××」
（まもる） 「何度も勝手にリブートし続ける？？？」
「××××××××××××××」
（まもる） 「わかりました。すぐ見に行きます」

（まもる、急いで現場へ。10分ほどで戻ってくる）

（ホゴ） 「お帰り。どうだった？」
（杉さん） 「さっきのやり取りを聞いていると、どうやらウイルス感染しているみたいですね」



（まもる） 「そうなんですよ、どう考えてもウイルス感染してるんです」
（ホゴ） 「でも、製造工場って外部ネットワークから切り離してあるからウイルス感染しないはずなんだけど？？？」
（杉さん） 「もしかして、実装機やテスターなんかの装置メーカーの方がメンテナンスに来られてなかったですか？」
（まもる） 「あーはい、確かにメーカーのエンジニアの方がメンテナンスされてたそうです。その最中からおかしくなったようで・・・」
（ホゴ） 「でもどうして感染したのかしら？」
（杉さん） 「間違いなく、持ち込みPCかUSBメモリからの感染でしょうね」
（まもる） 「えっ」
（杉さん） 「以前は工場のオートメーション制御装置は専用OSがほとんどだったので、ウイルス感染なんか全く気にすることもなかったんです」
（まもる） 「でも今は？」
（杉さん） 「最近は、工場オートメーション制御装置のOSはWindows　Embeddedベースへ移行が進んでいるんです」
（まもる） 「それで？」
（杉さん） 「もうお気づきですよね」
（まもる） 「いえサッパリ」
（杉さん） 「ふーっ。OSがWindowsになるということは、ウイルス対策を行わないと、ウイルスの攻撃対象になるってことなんです」
（ホゴ） 「でも、制御装置のOSがWindowsベースになっているんだったら、私たちのPCに入っているようなクライアント型のウイルス対策ソフトを制御装置にも入れておけばいいんじゃないですか？」
（杉さん） 「それが簡単には出来ないんですよ」
（まもる） 「えー、なんでなん？」
（杉さん） 「制御装置に関係ないソフトを入れて、万が一誤動作を起こして火災が起こったり、製品不良が出たりしないように、メーカーさんが制限しているんです」
（まもる） 「確かに誤動作起こされたら大変やもんな」
（ホゴ） 「でも、一方ではウイルスの攻撃対象になっていると・・・」
（まもる） 「うぅっ、一体どうすればえぇんか・・・」
（杉さん） 「大丈夫ですよ。順を追ってご説明しましょう。まぁ、ずっと立っているのもなんですから・・・」
（ホゴ） 「あらっ、そうですよね。ついつい鈴木のペースに引きずられて」
（まもる） 「わしのせいかいっ！」