Club-Z:Event Report

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Event Report

“基板設計”がアートになった?!
ケイ・ピー・ディ様がアートイベント
デザインフェスタに参加

※最後に読者プレゼントもあります!

2012.05.24

早速加藤木さんに製品を紹介していただきました。

「これが基板を使ったLEDランプHealing-Leafと、ストラップです。」

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デザインは、実物の葉っぱを何枚も観察しスケッチしてリアリティを追及したものだけあって、とても美しい仕上がり。リアリティだけでなく、部屋のインテリアとして飾ってもらうためには、どうデザインすればよいか?というところも工夫した部分だそうです。基板といえば、隠れて見えない部分にあるので、普通基板設計者はあまり考えることのない視点です。
(ここで少し図研の宣伝。設計はもちろんBoard Designerのアートワーク機能をフルに活用。曲線や窓を自由に編集できるのに便利だったそうです。XVLの3Dビューイングを使ってLEDを実装したイメージの確認もしたそうですよ。)

こうやってこだわったデザインですが、葉っぱの複雑なデザインは外形加工で躊躇され、なかなか引き受けてくれる会社がなかったそうです。基板自体は一般的な厚さ0.5mmの両面基板なのですが、エッチングがデータどおりの寸法にならない、曲線部分や抜きの部分が多くNCルータでの加工が非常に複雑、と基板屋さんに敬遠されてしまったのです。それでも、「難しいほどチャレンジしたくなる」ひとはどこにでもいるようで、この難題を解決するために協力してくださる会社が現れて、無事完成することができたそうです。苦労の甲斐あって、上々の仕上がりにお見受けいたしました。


CZ:何故、このような製品を作ろうとしたのですか?

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基板設計の仕事はどうしても請負型となるため、発注元の都合に左右されやすいのが現実です。コスト競争もどんどん厳しくなっています。これでは、ただただしんどいだけで仕事が楽しくなくなってしまう。自ら発案し市場と会話しながらものづくりする自主開発型のスタイルを築けないものだろうか?我々のような小所帯のメーカでも、その特性を生かして、大手メーカにはできない新しい価値の創造ができるのではないか?と考えるようになったのです。
そこで出会ったのが、enmono(http://enmono.jimdo.com/)さんが提唱している“マイクロものづくり”という考え方です。大量に売れる必要はない。気に入ってくれた人、特定のマーケットに売れればいい。ただし、大量生産品にはない高付加価値のある製品を作り、少量の販売で採算が採れるようなものづくりをする。この考えに共感し、新 しいモノづくりにも挑戦してみることにしたのです。
しかしこれは、自分達がメーカーになりたい、ということではありません。本業である基板設計においてより一層良い仕事をしていくために、自ら考え顧客と会話しながらモノづくりするというマインドが大切だと考えた末に辿り着いた一つの道でした。







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