Club-Z機能解説:Lightning編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Products

図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-電源およびグランドパターン設計の妥当性を検証する-

2012.08.30

④解析の実行と、結果確認
 以上の設定が完了しましたら、解析の実行をし、結果確認をします。
まず、電源供給源から各消費先デバイスへ到達した電圧を確認することが出来ます。(図.5)ICに必要な電源電圧が供給されているかをここで確認します。

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(図.5)各デバイスへの到達電圧の確認



次に、電源、グランドパターン内の個々の配線ビアにどれだけ電流が流れ、ビア1個あたりの電流許容値に対しての電流値を百分率で表します。(図.6)過度の電流が流れている配線ビアの近傍には、複数のビアを追加し、電流集中を緩和します。

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(図.6)配線ビアの電流許容値に対する電流値(百分率)




結果をグラフィカルに確認することも出来ます。まず、電圧分布を表示します。(図.7)ピンク色の電源供給源から黄色の消費先デバイスへの配線パターン経路がグラデーションの色で表示されています。赤系色が電源電圧に近い電圧値、青系色が電源電圧より低い電圧値であることを示しています。供給源から遠く離れると、電圧が降下するイメージが確認できます。

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(図.7)電圧分布



次に、電流密度分布を表示します。(図.8)これは、電流が集中している場所をグラフィカルに確認することが可能で、赤系色の配線パターン部分の電流密度が高いことを示しています。その場所が、図.1のボトルネックの箇所となりますので、配線パターン修正の必要性を確認することが出来ます。

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(図.8)電流密度分布



電流密度分布は、表示の切り替えで、電流の方向性を図示することも可能です。(図.9)
このようにして、プリント基板を製造する前に、CADデータ上で電源とグランドパターン設計の問題点を検証することで、後戻りの工程削減や、品質向上が見込めるのです。

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(図.9) 電流の方向性




■最後に
 本機能は、CR-5000 LightningのPIAオプションツールに実装されています。(但し、リビジョン13.0以上が必要となります)。
また、CR-8000 Design Force Professionalでは、ご紹介した機能が標準実装される予定となっています。CR-5000 Board Designer + Lightning PIAと違い、ホスト設計CAD(Design Force)上で結果参照が行え、配線パターンの対策を即時に打てるということが特徴と(図.10)なっています。
これからの開発設計業務において、本機能を活用してみてはいかがでしょうか?
プリント基板の設計品質向上にお役立ていただければ幸いです。

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(図.10)CR-8000 Design Force Professionalでの結果参照イメージ。開発中のため、画面イメージは予告なく変更されることがあります。






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