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図研ベテランSEによる
知って得する機能解説 -アナログ解析編-
2010.02.18
まずは、CR-5000/System Designer、Design Gatewayを使って回路図を作成します。これはオペアンプを使用した信号の増幅回路です。
次にAnalog Designer、Analog Simulation Control Unitのダイアログを使って解析条件を設定します。入力波形として、周波数が1キロヘルツ 振幅が1ボルト。過渡解析の条件として、10マイクロ秒ステップで2ミリ秒までの時間軸を設定します。そして、測定したい温度条件を設定します。常温と低温(-20℃)と高温(+70℃)を設定します。これで過酷な温度試験が模擬できます。
それでは、SPICEシミュレータにネットリストと解析条件を与えて、解析してみましょう。
一瞬で解析が完了し、次の波形が出力されました。青の波形が常温、赤の波形が高温、緑の波形が低温での結果です。温度条件によって随分振幅が変わっていることが分かりました。使用している回路部品や回路構成が適切かどうか、回路スペックを満足しているかを事前検証することができます。
このように、商品設計の中で、SPICEなどのアナログ解析ツールを活用することによって事前に問題を洗い出すことが可能になります。失敗や手戻りが許されない商品設計の強い味方になるのではないでしょうか?
これからSPICEを検討される方のためにSPICEについて少し補足しておきます。
■SPICEについて
- コンピュータ上で動作の検証を行うことで、実際に回路を組む手間と費用を節約できます
- 回路構成や定数の変更もコンピュータ上で簡単に行えるため、設計検討が容易になります
- 温度条件や、部品のばらつきを考慮した検証が行えるため、最適な解が早く得られます
- DC解析、過渡解析、AC解析などさまざまな解析手法が用意されています
■解析モデルについて
解析にはSPICEモデルといわれる部品の電気的特性が記述されたファイルが必要です。これらは、SPICEのソフトウェアベンダーなどが提供してくれます。