Club-Z機能解説:SD/DG編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

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図研ベテランSEによる
知って得する機能解説 -SD/DG編-

2009.05.28

■ある設計現場にて

「あの・・・すいません・・・」
「ん?」
「試作でトラブルが出てしまいまして・・・」
「!!」

うつむきながら報告に来たのは、回路設計者と、そのアシスタント(=回路CADへトレースする専任者)。
事情を聞いてみると、現在開発中のモデルにて、試作で動作不良が発生したとのこと。
詳しく調査したところ、「回路変更時のミスが原因だった」というのだ。

問題の回路変更は、以下のような手順が踏まれていた。

  • まず、変更内容について、回路設計者からアシスタントに指示を出す。
  • その指示に従い、アシスタントは回路CADデータを修正し、図面を出力する。
  • その図面を回路設計者が目視チェックした後、基板設計者に変更内容を伝える。

通常であれば、この手順で問題は起こらない。
しかし、今回に限っては、指示以外の箇所について、アシスタントが誤って回路CADデータを編集してしまった。また、回路設計者も、自身が指示を出した箇所しかチェックしなかったため、アシスタントのミスに気づかなかった。これにより、誤った回路情報が基板設計者に渡ってしまい、事故につながってしまったのである。

このミスによる影響は大きい。
試作のやり直しに要する工数やコストは膨大であるし、製品リリース・スケジュールへのインパクトもある。
リリースの遅延は、なんとしても避けなければならないのだが・・・


いきなりトラブルの例を挙げてしまいましたが、このようなケースは実際に起こり得るのではないでしょうか?
また、回路にミスがあると基板の修整も必要になりますし、それに伴って、試作での諸々の作業/確認も発生するため、影響の度合いが大きいと思います。

では、このような事故を防ぐためには、一体どうすれば良いのでしょうか?
先のケースでは、アシスタントの方がもっと注意深く作業を行なえば良かったのかもしれませんし、回路設計者が図面の隅々まで目視チェックすれば良かったのかもしれません。

しかし、現実的には、人間がミスを犯すことを完全に防ぐのは不可能です。
また、設計される回路図の規模が非常に大きい場合には、それらの全てを目視チェックするのも難しいのではないか、と思います。

そこで今回は、このような変更箇所を漏れなく検出できるチェック機能をご紹介致します。