Club-Z機能解説:DG編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Products


図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-システム設計とモジュール設計手法編-

2012.12.20

■モジュラーデザイン支援
回路図を作成するときには、1から作図するよりも類似品や前モデルの回路データを流用し、回路設計をスタートすることが一般的です。しかし、データ管理がきちんと行われていないことが多く、回路図の品質が不十分なまま流用してしまう、というケースも多いようです。このような管理の中で流用設計を行うことは、多くのリスクを抱えることになります。また、回路図データを個人で管理しているケースも多く、複数の設計者が同じような機能を持つ製品の回路図をそれぞれで設計しているとの声もお聞きします。これはリードタイムの増加につながり、非効率な設計となってしまいます。

●問題の確認

問題①

設計した回路図がバラバラに管理されているので、検索に時間がかかる

問題②

流用先での品質が十分に担保されていない(標準化されていない)状態の回路図を流用してしまう

問題③

異なる製品間、異なる部門間で、同じような構成の回路をそれぞれで作成してしまっている

問題④

流用した回路図を編集した際に、どこを編集したか確認ができない



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このような品質問題の未然防止やコスト、リードタイムの低減、さらには製品バリエーションの最適化を実現する手法として、モジュラーデザインの有効性が認識されつつあります。DGではこのモジュラーデザイン手法を支援する機能として、回路ブロック運用をご用意しています。


●回路ブロック運用の流れ
手順①

回路ブロックの登録

以前に作成した信頼性のある回路ブロックを、標準回路ブロックとして部品ライブラリに登録します。

手順②

回路ブロックの検索

ライブラリ登録した回路ブロックを、部品ライブラリより検索、配置します。

手順③

回路ブロックを流用した回路図の設計

回路ブロックを用いて全体回路図の設計を行います。

手順④

回路図のチェック

全体回路図から内部の回路図のチェックを行います。




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回路ブロックの運用モデルの詳細に関しては、こちらの記事をご覧ください。
知って得する機能解説:回路ブロック作成・利用編




●効果
効果①

品質の担保されている回路ブロックをLCDB(回路設計用部品ライブラリ)で管理できる

効果②

流用元の回路図と比較することができる

効果③

回路ブロックをつなぐだけで回路図の設計ができる



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近年、回路ブロックの標準化が注目されており、図研でもブロックの標準化を支援する様々なツールをご用意しております。DGで作成した回路ブロックは、構想設計支援環境であるSystem Plannerや製品データ管理システムであるDS-2と連携をとることで更なるモジュラーデザインの推進ができ、品質の高い製品の早期市場投入につなげることができます。

Module Station
図研では、複数のデバイスメーカと協調して、回路モジュールコンテンツをCADシステムで使用可能なデータ形式として無償でダウンロードできるサービスサイト[Module Station]を開設しております。
近年、部品の標準化やモジュール化が重要であると認識している企業が増えていますが、利用できるデータや情報を収集するには多くの工数がかかってしまうと思います。そこで図研ではこの問題を解決するために、仕様情報やCADデータを持った回路モジュールコンテンツを無償で提供しております。
では、実際にどのように活用することができるかご紹介します。

●システム
Module Stationは会員登録制のサービスです。会員登録しますと、回路モジュールの検索、ダウンロードが可能になります。

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今回ご紹介しました、システム回路設計とモジュラーデザイン支援環境は Design Gateway 2013 で更なる設計機能の強化を予定しております。また、Module Stationは協賛会社の協力のもと、基板データや解析、検証データなども順次掲載する予定です。ご興味のある方は、ぜひご登録ください。


【今回の記事はいかがでしたか?】

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今回の記事について詳細なご説明をご希望の方は、Club-Z編集局(clubZ_info@zuken.co.jp)までご連絡下さい。