Club-Z特集:ZI2007

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z特集


これからの新製品開発に必要なものはなにか
~「 Zuken Innovation 2007 」アンケート結果より~

2007.11.29

■ 新製品開発は「経営課題」

昨年11月に日本能率協会・日本能率協会コンサルティングから発表された「モノづくり実態調査に関する報告書」において興味深い調査結果がありました。従業員3000人以上の製造業に対してモノづくり改革の重点課題として現在何に取り組んでいるか?3年後にはどのような課題が重点課題となるか?を質問したものです。(図1)これによると、現在の重点課題のトップ3は「コスト力の向上」、「品質力の向上」、「新製品開発力の向上」という順でした。興味深いのはこの3項目は「3年後」どうなるかという質問でかなり顕著に差が出たことです。3年後というレンジを考慮すると「新製品開発力の向上」が大きく増えてトップになり、次が「現在」では4位であった「人材力の向上」、その後「品質力の向上」という順位になりました。

図1【モノづくり改革の重点項目~従業員3000人以上の企業】日本能率協会2006年調査から
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ほぼ同じころ、昨年の弊社Zuken Innovation 2006のアンケートでは「新製品開発」がビジネスに与える影響についてアンケートをさせていただいています。そこでは「新製品の市場投入」がビジネスになんらかの好影響を与えると考えている方々が半数以上あり、さらにこの結果は「ここ数年、新製品開発プロセスが改善されている」と感じている企業の方々では約7割に達しているとの結果が出ました。

これは、日本の製造業(といっても弊社の場合、電機関係が多数を占めますが)も事業のリストラクチャリングが一段落して徐々に「新製品開発」というオフェンス戦略に移行しているということと理解します。「 3 年」を待つまでもなく先進的な企業は「新製品開発」が企業の成長にいかに重要か気づいています。
もっとも上述「コスト力の向上」や「品質力の向上」が重要ではなくなったわけではないでしょう。これらは引き続き重要課題として残るものです。ただしこれらがグローバル化などの様々な理由でビジネスとして成功するための必要条件ではあっても十分条件にはならなくなってきたことにより、相対的な順位が下がったのだと思われます。

■ 優れた製品開発をしている企業はなにが違う?

さて前述、昨年のZuken Innovation 2006のアンケート調査で、新製品の市場投入を行ったにもかかわらずビジネスに好ましい影響が与えられなかったと回答した方々も少なからずありました(12%)。そしてその約半数の方が、「他社と十分差別化できなかった」ことを理由にあげています。それでは成功する新製品開発とはどんなものか?なにをすればよいのか?ということをもう少し詳しく分析しなければなりません。同アンケートにおいて、「新製品開発のプロセス改善」に成果があがっている会社ほど新製品の市場投入でビジネスに良い効果があったと回答する割合が多くなっており、またそのプロセス改善はトップのイニシアティブがあったほど、成果があったという傾向が見られました。これは「成功する新製品開発」を示唆するひとつとも考えられますが、あくまでプロセス上の話であり、新製品開発の KFS ( Key for Success )としては具体的ではありません。

そこで本年のZuken Innovation 2007においては、製品開発のプロである弊社のユーザー様にプロの目で見た「優れた製品を開発していると思う」他社様をあげていただき、そこが自社と比較してどこが優れていると思うのか伺ってみました。その結果上位にあげられた企業名は下表の通りでした。(図2:上位9位までというのは、そこまでとそれ以下とでかなり票数に差が出ましたので、中途半端な数字ですが9位までといたしました。)
またその会社の製品開発が自社と比べてどこが優れていると思うかという質問については、「企画力」が優れているとした回答が半数近くありましたが、優れた製品開発をしているとしてあげた会社ごとに傾向の違いはありました。(図3)各社ごとの結果は次の通りです。

図2 【ここ数年優れた新製品開発・市場投入を行っていると思う企業はどこか?また自社と比較してどんな点が優れていると思うか?企業名別の結果】feature_20071129_2.gif
図3【優れた製品開発をしていると思う企業が自社と比べて優れていると思う点 全回答合計】

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一方、ご自身の会社の製品開発が優れていると思う点は?という質問に対しては、設計技術、品質、製造技術という順になりました。(図4)回答者である図研のお客様の多くが開発のご担当者であることから、「製品企画」というとやや埒外と感じられた面もあるかと思いますが、この結果からすると、自社の企画力にはあまり自信が持てていないという状況が見受けられます。

図4【自社の製品開発が優れていると思う点】

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