☑Club-Z特集
※2012.05.24 ペガトロン社 Design Force採用記事追加
2012.03.22
皆さんご存知の通り、台湾はパソコン、タブレット、デジタルカメラ、液晶TV、スマートフォンなどの製品から半導体、パッケージ、マザーボード、PCB、フレキ基板まで、今や世界のエレクトロニクス製品の一大製造拠点になっています。最先端の技術でLSIを製造するファウンドリや圧倒的な部品調達力で世界のトップブランドの製品を数多く受託製造する巨大なEMSの存在は、世界のすべてのエレクトロニクス製造業のサプライチェーンにとって台湾を欠くべからざる拠点にしています。
そんな国台湾で、このたびITRI(台湾工業技術院)での技術セミナーとそれに続けて図研台湾主催の製品紹介セミナーを実施いたしましたので皆様にもその様子をお伝えいたします。
CR-8000 Design Forceに対するフィードバックは私たちにとってもとても気になるところです。
■ITRI(台湾工業技術院)でのセミナー
2月22日、ITRI(台湾工業技術院)で開催された「The Next Generation EDA system for 3D IC/SiP」。ITRIは6500人の研究者、スタッフを抱える政府系研究機関であり、まさに台湾の国家的な技術戦略をリードする大変重要な組織といえます。タイトルからわかる通り、ここ台湾でも半導体・SiP設計においてのICの3次元化、積層は大変ホットなテーマになっています。(ITRIと各国の3次元実装の取り組みについては・・・参照実装軽視に物申す!第1回:JISSOでもう一度日本が勝つ道 キーワードは「3D」と「規格化」)LSIのサイズの小型化だけでなく消費電力の削減や伝送スピードの高速化に寄与する技術として今後ますます重要になってくると考えられており、各国で研究がすすめられています。世界でも有力な半導体のファウンドリやパッケージメーカが多数ある台湾では当然この分野での新しいツールへの関心は非常に高いものがあります。
このセミナーの中で図研は、CR-8000のコンセプト、半導体/パッケージ/PCBの協調設計環境について紹介しました。
最新の3次元グラフィックスの機能を活用し、LSI、パッケージ、PCBをシステムとして効率的に設計する能力を持つCR-8000 Design Forceは、まさにこの領域の実装設計課題にマッチしており、TSMCをはじめとした半導体関連の企業から大きな関心が寄せられ、さっそくデモやそれぞれの参加企業での詳細説明の依頼を多数お受けいたしました。予想以上の反響に図研台湾スタッフもうれしい悲鳴を上げていました。
ITRIでのセミナーの様子。新しい技術への関心は非常に高い。
■図研台湾でのセミナー
ITRIセミナーの翌日2月23日には、弊社の台湾支社にてセミナーを開催しました。こちらにはEMSの経営幹部の方を中心に多くのお客様に来場いただき、ここでもCR-8000Design Force、DFM Centerを紹介させていただきました。
既に導入を決めたお客様や、評価中のお客様も来場され、とても熱心な質疑応答がありました。
来場者の中には、パソコンからコンシューマエレクトロニクス製品へ設計・製造業務の幅を拡大しようとしているメーカも少なくなく、図研のCR製品は日本でコンシューマエレクトロニクス製品の設計実績のある製品としても注目を浴びていました。
これまで製造受託主体であった台湾産業は、受託先のブランド企業のCAD環境や半導体ベンダーの影響が大きかったのですが、最近ではこれまで培ってきた技術力を背景に独自に設計する範囲を増やし、受け身から提案型のビジネスに移行することによりさらなる事業拡大を目指しています。同時に先進的な設計環境構築の意欲も高まっており、新しい製品や技術の導入には非常にアグレッシブな印象を受けました。ITRIでのセミナー同様こちらも、たくさんのデモの依頼や引合いをお受けいたしました。
■お客様から寄せられた感想
- CR-8000 Design Forceは、当社で扱うような膨大な設計データ(層数・部品数・ネット)でも快適に設計できるパフォーマンスを持っているようだ。(サーバ、通信機器製造)
- 日系ブランドメーカと取引を進める上でCRを使うとデータのやり取りが楽になりそうだ。またBoard DesignerとDesign Forceとのデータ互換について問題ないというのは、Design Force導入を検討する上で評価できる。(AV機器製造)
他にも、「タッチパッドでの操作、配線機能、3Dビューを駆使した設計・レビューが便利そうだ。」というご感想をたくさんの参加者からいただきました。
台湾のエレクトロニクス産業の力強さと熱気を実感した二日間でした。