参加していた電気設計者が答えた。
「リードは導体ですから、電気的な視点での検証を行う意味では、重要です。せっかく3Dでの検証を行うのであれば、リアルな形状のほうが、
検証漏れが防げる
と思いますよ。」
「最近は、筐体内の空間がどんどん厳しくなっていますからね。現状の電子部品は、部品領域を高さ分だけ伸ばしたBOXで表現されていますが、リアル形状になれば、もっと
追い込んだ設計が可能
になるのでは?」
機構設計者も続けた。
「特にコネクタやスイッチなどは、筐体と密接しているので、現状でも頻繁に確認作業が発生しているんです。それがCADで確認できるのであれば、
メカ・エレキ両部門にとって効果的
です。」
『ほーら、盛り上がってきた!やっぱりみんな詳細なモデルが必要なのよ。』
(合田) 「じゃー、今後、リアルなモデルで設計を進めるようにしようか。」
(一同) 「賛成!」
(狭間) 「あ、ちょっと待ってください。リアル形状で設計するのは良いと思うんですが、誰が用意するんでしょうか・・・その・・・部品のモデルなんですけど・・・」
(一同) 「頑張れ!」
『頑張れ!』
(狭間) 「(ガビ~~ン)」
(合田) 「狭間、お前ならできる!考えてみてくれ。頼んだぞー。」
(狭間) 「(こ、これがうわさの、総論賛成各論反対・・・)」
レビューは盛り上がって終了した。
『狭間っちのためだ。』
(狭間) 「(なんでだよ、部品ちゃん!俺が毎日のように検証作業やレビュー会で忙しいのを知ってて!)」
『だからこそよ!よく考えてみて。このままで進めていったら、ずっと私とあなたは検証漬けよ。検証&指摘の人生でいいの?』
(狭間) 「(検証と指摘の人生・・・。嫌だ。モノを作りたいんだ俺は。)」
『でしょ?みんな言っていたじゃない。リアル形状にすることで、検証漏れも少なくなるし、追い込みもできるって。そうなれば、私たちは検証作業の番をしなくてよくなるわ。』
(狭間) 「(そうだけど、ひとつのプリント基板だけでも何百、何千の部品が載ってるんだよ!それをモデリングしていたら、いくら時間があっても足りないよ!!)」
『回路設計部に戻るんでしょ?すべてをあなた一人でやる必要なんてないんだから。進めましょうよ!』
(狭間) 「(そうか・・・やるしかないか。。。やるしかないんだ・・・) 考えてみよう。」
(大泉) 「
ん?どうしました?ん?ん?
」
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