サッスガ!部品ちゃん

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

サッスガ!部品ちゃん

【第2話】 ~本当の私を見て!~

2009.09.30

■ 2007年12月 ■

狭間と狭間を陰で支える部品ちゃんの活躍により、流石電気では、中間ファイルを介したエレキ・メカの協調設計を実現していたと思われていたが、技術部門では、新たな壁に直面していた。

(狭間) 「はい。わかりました。12日水曜日の17:00ですね。では、よろしくお願いいたします。」(ガチャ)

『またレビュー会?』

(狭間) 「(あー。仕方ないだろ。みんな俺たちに期待しているんだ。)」

『・・・』

プルルルル プルルルル(ガチャ)

(狭間) 「技管の狭間です。18日ですかー、すいません、その日は既に・・・。はい、分かりました。では21:00からということで、よろしくお願いいたします。」(ガチャ)

『狭間っち、このまま一生レビュー会に参加するつもりなの?』

(狭間) 「(だって、そうしないと不具合が出ちゃうんだから。)」

エレメカの運用が一通り設計者に展開されたのを確認した後、技管からはレビューに参加せず、必要に応じてサポートを行う、という体制をとったことがあった。しかし、狭間と部品ちゃんが参加しなかったモデルでは、実機検証で発覚する不具合がしばしば発生した。設計変更後のデータを回路設計/機構設計の両部門間で連携することはできたものの、現状の3Dモデルでは表現できない、さらに詳細な部分での検証が、すべての設計者にできるというわけではなかったのだ。

それ以来、狭間と部品ちゃんはほとんどのレビュー会に参加していた。それは、設計部門からの依頼でもあり、彼も推進役として、失敗がないようにと思っていたからだ。その後もレビューの場では、部品ちゃんからの指摘がなくなることはなかった。これは、実際のところ、狭間と部品ちゃんが、不具合を防ぐ関所になっていたことになる。

『ちょっと試してみたいことがあるんだけど。』

(狭間) 「(なに?部品ちゃんの言葉がみんなに聞こえる方法でもあるの?)」

『違うわ。私を元の美しい姿に変えてほしいのよ。』

(狭間) 「(え?元の?美しい?)」

『そうよ!本当は私、こんなすんぐりむっくりした体型じゃないんだから!もっとスリムだし、それに足だって細くて長いのよ、あなたと違って。知ってるでしょ?』

(狭間) 「(何かと思えばそんなことか。。。はいはい、わかりました。でもこれからまたレビューだから。それ終わってからでいい?)」

『ダメ。今よ、いま!そうしてくれないと、私、レビューに出ないからね!』

(狭間) 「(えー、そんなワガママ言うなよぉ~。。。俺、実はメカCADは苦手なんだよな~。)」

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(狭間) 「おし!これでいいだろう。もうこんな時間!急がなきゃ。」


会議室では、春モデルのレビュー会が行われていた。狭間は、対象機種のアセンブリデータを確認し、編集した電解コンデンサのモデルに差し替えて、レビュー会に持参した。

(狭間) 「部品モデルを少し編集したので、これでレビューしていただけますか?」

スクリーンにデータが映し出され、レビュー会が始まった。前回のイベントからの変更点を中心に、担当者からの説明があり、参加者による指摘が行われた。その途中、レビュアーとして参加していた機構設計の合田課長が割って入った。

(合田) 「狭間~。この電解コン、なんでピンクなんだ?」
(狭間) 「えっとー、、、」

『形状をリアルに表現したのよ!』

(狭間) 「(そうか。) なるべくリアルに表現しようと思いまして。」
(合田) 「ほ~。ま、色は別にして、確かに、足もついていて、電子部品らしくなっているな。これは、意味あるのか?」