ちょいモテ設計者への道

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

Club-Z劇場

新人岡田君のちょいモテ設計者への道

【第7回】SIとは?① ~トラブル発生!~

編集:Club-Z編集部
監修:岡本ESA 事務所/岡本 彬良

2008.10.30

―前回までのあらすじ―
仕事がスムーズに運ぶよう、理想の仕事のあり方について熱く語る土田課長。普段あまり見ない熱い姿に感動していたのも束の間、お酒が入り、一気にいつもの姿に戻っていく土田さんなのだった・・・
そして、次の日。回路設計部ではある事件が起きていた・・・


「おはようございま~っす。。。」

あ゛~っ・・・頭痛い。。。
昨日は結局熱くなった土田さんを止められず、軽い食事のつもりが夜中まで飲むハメに・・・
土田さん、酔っ払うと同じ話何度もするから困るんだよな~。
二日酔いの頭を抱えながら、席に向かうと何だか部内が騒がしい。

「ソフト開発からクレームの電話だぞ!ボードが動いてないって!」
「まじかよ!?試作後にこのトラブルは痛いな・・・」

「具体的にどういうトラブルが起きてるんだ?きちんと説明してくれ。」
昨日、あんなに遅くまで飲んでいたとは思えないくらい真面目な表情の土田課長がいた。このおっさん、仕事の時はほんと、格好いいよな・・・って、感心している場合じゃない!なんだか問題が起きてるみたいだ。

「何のトラブルですか?」
近くにいた先輩にこっそり聞いてみる。
「この前発注した基板がどうも上手く動いてないらしい。必ずなるわけではないようだけど、たまにデータが正しくやりとりされないみたいでさ、どうも不安定らしいぜ。ソフト開発側でいろいろ検証してみた結果、ソフト的には問題ないようだってことで、うちにクレームがきたって訳。」
「ヤバそうですね。。。」

土田課長のまわりに集められる課員達。問題解決のためのディスカッションが行われる。
どうやら話を聞いた限りでは、今回の製品では、前回と比べてメモリI/Fのスペックが引き上げられ、設計マージンが厳しくなっていたにも関わらず、従来の設計ルールのままで基板を設計してしまったことが原因らしい。

本来であれば事前のSI解析評価によってスペックを満たす新たな設計ルールの検討が行われるはずが、何故かスペック変更の情報が関連部門に正しく伝達されていなかったとのこと。その結果、問題箇所の解析評価は未実施のままで基板設計へと受け渡されてしまったということらしい。

何がなんだか分からない話だが、とにかく今は言われるがまま、緊急対応の作業に取り掛かることに・・・