Club-Z劇場
新人岡田君のちょいモテ設計者への道
【第2回】プリント基板設計発注のタイミング ~焦るな!~
2008.05.29
「それから、
一番重要なのは過去に設計したプリント基板の流用が可能かどうか調べること。
うちのようなAV機器メーカーの場合は特に基板の流用が可能なの。ものによっては7割くらい流用可能な時もあるのよ。だから流用可能な基板データを調べることは、とっても重要なの。」
「そうですよね!過去に製品になってるものだったらリスクも少ないですし!」
「そういうこと。分かってるじゃない。」
初めて誉められた! 良かった・・・
「さっき岡田君にお願いした部品配置後のチェックやプリント基板設計完了後のチェックもきちんとスケジュールしておいてね。1次試作までの間にとにかく品質の良いものを作りこむことが重要だから。
一応まとめた資料渡しておくから、しっかりやるのよ。」
「は、はい!」
圧倒されるオレ。
「とにかく焦らないこと! ほら、さっさと動く!」
えぇ?!?! 矛盾してます、篠原さん・・・ (次回へつづく)
今回のPoint!
プリント基板設計の発注は焦らず、品質をしっかり作りこむ。
流用可能な基板データの検討を行う。
●監修者プロフィール
岡本 彬良 (おかもと あきら)
1948年生まれ。 1969年、呉工業高等専門学校 電気工学科卒業。同年、松下電器産業㈱入社。 電気設計、機構設計、IC開発に従事。 1980年、コンピュータの判る設計者としてプリント基板CAD導入立上げに参画。以来、機構CAD・社内LAN・サーバ管理・LA・PDMと技術部門の情報システム全般に担当範囲を拡大。
2005年、同社を退職。
現在、岡本ESA事務所を開設し、プリント基板設計・技術情報システムの著述・コンサルタントとして活動中。エレクトロニクス実装学会会員。神奈川県 技術アドバイザー。
著書として、「よくわかる プリント基板回路のできるまで」「よくわかる プリント基板実装のできるまで」(ともに日刊工業新聞社)等がある。