Club-Zコラム第29回

印刷用表示 | テキストサイズ 小 | 中 | 大 |


clubZ_info_renewal.jpg

| HOME | コラム | グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス | 第29回 | P3 |

更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス

【第29回】はじめが肝心

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造


2010.05.24

共通ゾーンを意識することができたら、次に考えることは、実際にパーソナル・アジェンダをどうやって引き出すか、です。そのための入り口は、そのメンバーが抱いている不満を十分に聞くということ。これを、傾聴といったりアクティブ・リスニングといったりしますが、「相手の話に興味・関心を持ち、それを積極的に表にあらわす。そして、相手をほぼ全面的に肯定しながら、できるだけ相手の心理を浮き彫りにし、さらに深く話を聞いていく」という話の聴き方のことです。

文章だとわかりにくい表現になりますね。傾聴やアクティブ・リスニングという言葉はほとんどの方が聞いたことがあると思いますが、身体で覚えることが大切だということなのです。もし、真面目に勉強したことがないという方は、何でもいいのでまずは本を一冊読むことをお薦めします。ちなみに、私が印象に残っている本は「プロカウンセラーの聞く技術」(東山 紘久)です。仕事だけでなく生活全般の話題を扱っていますが、テクニックに走りすぎず、考え方をわかりやすく伝えてある本です。

さて、面談ではこのアクティブ・リスニングによってパーソナル・アジェンダを引き出すわけですが、具体的には次のようなことを聞き出せるとよいでしょう。

・今の仕事で大切に思っていること
・今の仕事で自分らしいと思えるとき
・今の仕事でやりがいを感じる瞬間
・今の仕事で大変だったり辛かったりすること
・今の仕事を通じて自分はどうなりたいのか
・今の仕事がどうなれば(どう変われば)うれしいのか
・会社に期待すること
・上司(面談しているマネジャーやリーダー)に期待すること

このようなことを聞き出すことができれば、さらに続けて、社員として何を期待されていると思うのかを聞き出します。年度はじめに説明があった会社(組織)の方針や計画の話が出てくるとベストですが、そうでなくても気にすることはありません。大切なのは、彼/彼女がどう思っているのかを理解することです。パーソナル・アジェンダを十分に引き出した後ですから、面談している彼/彼女が会社(組織)のことをどう考えているのかをスムーズに聞き出せるはずです。

・会社にとって何が大事なのか
・会社は何を目指しているのか
・会社は社員にどうなることを期待しているのか
・会社は自分(面談を受けているメンバー)に何を期待しているのか

ここまでできてはじめて、面談しているマネジャーやリーダーは、彼/彼女に対して自分の思いを説明することができる関係になります。やっと、彼/彼女とのお互いの共通部分、共有ゾーンについて話をすることができるということですね。

こうやって文章にすると面倒な感じがするかもしれませんが、大丈夫です。試しに、実際の面談の場面を想像してみてください。ここで書いていたことが自然にできている姿が想像できるのではないでしょうか。想像できない場合は・・・連絡ください(笑)。