コラム
グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス
【第21回】仕組みの見直しに成功する組織とは
株式会社RDPi 代表取締役 石橋 良造
2009.04.23
最後にもう一つだけ挙げておきましょう。それは勉強する姿勢です。
仕組み見直しの推進者、当事者となったメンバーは(リーダーはもちろんです)、関係することについて猛勉強をしなくてはいけません。リーダーも含めて推進メンバーは技術者であることがほとんどです。そして、見直す仕組みというのは自分たちが業務としてかかわっている仕組みなのだからと、自分たちの考えや知識だけで仕組み構築を進めてしまう。このようなケースが少なくありません。自分たちのことだから自分たちが一番わかっているという自負もあるのでしょう。
しかしながら、仕組み構築ということに関しては推進メンバーは素人であることがほとんどです。関係している業務の現状を調査することや、他社含めて世の中にどのような考え方や事例があるのか、そして、仕組み構築や開発プロセス改善の進め方など、事前に勉強できることはたくさんあるはずです。事前勉強が不足していては、仕組み作りに一生懸命に取り組んだとしてもトライ&エラーを繰り返すことになるのは目に見えています。ひとつの見直しだけでも現場に定着するまでに多くの時間が必要になるのは避けられないことになります。
当事者でありながら勉強をしないというのは、基本的に成功させるという意識が低いということだと思いますし、時間というリソースをムダにすることに対する意識が低いということだと思います。勉強に対する姿勢で意識の高さを見ることができるわけです。推進者の意識が低ければ、仕組みの構築や見直しが成功する確率は非常に低くなるのは当然でしょう。
以上の3つが、仕組みの構築や見直しに成功する組織に共通している特徴です。これらの特徴がないからといって成果を出せないわけではないのですが、組織の責任者は組織がこの3つの特徴を持つように組織文化を変えることは決してムダではないはずです。ご検討ください。