Club-Zコラム第1回

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

コラム


グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス

【第1回】現場技術者の犠牲によるグローバル化はもう限界

株式会社RDPi  代表取締役 石橋 良造


2007.06.21

執筆者プロフィール
九州大学卒業後、日本HP入社(入社当時はYHP)。電子計測器、半導体計 測システムの研究・開発に従事した後、社内の開発製造革新プロジェクトで、 電気・電子設計およびソフトウェア開発のための統合システムを企画,開発。
この間に、日本HPにおけるソフトウェア・プロダクティビティ・マネジャー を兼務。日本HPの会社分割によりアジレント・テクノロジーに移籍した後、 この経験をもとに社外に対してコンサルティングを実施。その後、株式会社 RDPi を設立。 これまでに、家電、通信、電子機器、自動車業界に数十社の実績を持つ。ビジネスコンサル系とは一味違った開発現場やツールにも精通するコンサルタント。
著書(共著)に「デザイン プロセス イノベーション」「ザ・チェンジ」(どちらも日経BP)。また「日経ものづくり」での連載や「ソフトウェア開発環境展」専門セミナーなどのセミナーも多数実施している。

●Email :  ishibashi@rdpi.jp
●株式会社 RDPi : http://www.rdpi.jp/

電気や機械に代表される日本の製造業は 1980 年代からグローバル化(国際化)を進めてきました。 ただ、2000年頃を境にその中身は大きく変化しています。1980 年代は欧米との貿易摩擦に対応するのが目的で消極的な姿勢だったのですが、2000 年頃からは世界経済の一体化が進む中で国際競争が厳しくなり、生き残りのために積極的にグローバル化を進めるようになりました。グローバル化は、生産性や効率を追求して他社に対する競争優位性を確保する必要があるということです。

グローバル化は大企業だけではなく、中小企業においても避けては通れない潮流です。取引先の大企業に引っ張られて海外に出る場合もあれば、自らがコスト低減やマーケット拡大を目指して海外に出る場合もありますが、いずれにしても、生産性や効率、つまり、利益を追求した攻めのグローバル化を目指さざるをえない状況です。

図1をご覧ください。製造業における海外事業規模の推移を示しているグラフです。海外事業の売上高は 2000 年度以降伸びており、毎年約 10 % 増加していることがわかります。そして驚くべきことに、海外事業の経常利益は毎年 20 % 近くも伸びているのです。利益を重視した攻めのグローバル化が進展していることがわかります。

図1
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