部品集約編

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03


☑コストリダクションプログラム

1.部品集約

2010.07.22

第一回目のテーマは「部品集約」です。部品集約がなんとなくコスト削減につながるということは多くの皆さんが理解しておられると思います。しかし、具体的に部品集約を行うことでどんなメリットがあるのか、またはしないことによってどんな無駄がでるのか、というイメージが特に部品選定を行う設計者の皆さんにとって実感しにくいテーマではないかと思います。そのため、設計者の皆さんにとってはメリットが見えにくいわりには、手間がかかる、面倒くさいテーマと思われがちです。そこで部品集約のメリットを改めて考えるとともにこれを無理なく定着していくためにどうすればよいかということを、ご説明いたします。


部品集約による効果

もし可能でしたら貴社において、使用されている部品数(品種)の推移を調べてみてください。年々増加していませんか?
一つの部品が新たに採用されるときに必要な工数・コストを考えてみましょう。部品情報の収集や管理、品質検査に要する工数・コスト、また品種に比例して在庫管理の工数・コストも増加していきます。関わる人の数や費やす時間を考えれば膨大なコストがかかっていると容易に想像できると思います。製品価値を向上させるために新規部品を調査、採用するのは必要な作業ですが、既に品質も担保され実績のある同等品の登録がされていてそれに気づかず別の部品を採用するために工数をかけたとすると、まったく意味の無いコスト増になります。
また、無意味な新規部品の登録を抑え、部品の集約を進めていくと部品あたりの発注量が増え、部品調達コストを削減できる可能性が生まれます。

ここで簡単にその効果をシミュレーションしてみましょう。(図1)

一般的に電気セット製造業では売上高の70%が部材費で、部材費の70%を電子部品が占め、その20%を汎用部品が占めると言われています。すなわち、汎用部品の部材費は売上の10%程度を占めております。部品集約を行い価格交渉力を獲得した際の効果を定量的に示すことは難しいですが、仮に10%程度調達コストを削減できたと仮定すると、売上高の1%を削減できることになります。1%と言うと少ない印象があるかもしれませんが、従来の利益率を5%とし、削減できたコストがそのまま利益に反映されたと仮定すると、これは利益率が20%改善されることとなります。

いかがでしょうか?部品集約がコスト・工数の削減に大きな効果があることがおわかりいただけたと思います。

また、その他に部品集約を行うと以下のような効果があります。

  • -実績のある部品の共有率があがることによる、高い品質の担保
  • -部品情報の収集や管理に伴うコストの削減
  • -部品の在庫管理コストの削減


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図1


部品集約の進め方

さて、これだけ効果のある部品集約ですが、具体的にはどのように進めるのでしょうか。部品集約は以下の2ステップにわけて進めます。

① 部品情報の収集と部品種類数の削減
② 部品種類数増加を抑止する運用の策定と定着

ここからは簡単にこの進め方についてご紹介します。