EMC測定の基礎

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03


☑EMC測定の基礎

2.EMCの国際規格

マイクロウェーブファクトリー株式会社
2012.09.27


さらにIECの中にはEMCに関係する特別委員会であるCISPR(国際無線障害特別委員会)というのが置かれています。CISPRはフランス語の頭文字をとった名称で一般的に「シスプル」と読むことが多いですが、中には「シスパー」と言われる方も一部いらっしゃるようです。このCISPRの中にもIEC同様、つぎのようなSC(小委員会)

  • SC-A 無線妨害測定と統計的手法
  • SC-B 工業・科学・医療(ISM)向け高周波装置、高電圧機器、電力線、電気鉄道における妨害
  • SC-CD自動車、内燃機関における妨害

などがあります。

emc_120927_2.jpg

CISPR組織図


CISPRからも現在30以上の規格が作られており、一部ですが、挙げてみると

  • CISPR 11 工業・科学・医療(ISM)用高周波機器の電磁妨害特性の許容値および測定方法
  • CISPR 12 車両、モーターボート、及び火花点火エンジン駆動装置からの妨害波の許容値および測定方法
  • CISPR 14 電磁環境適合性 電動工具、電気・電子機器および同様の装置 1)エミッション 2)イミュニティ
  • CISPR 22 情報技術設備の無線妨害特性の許容値および測定方法
  • CISPR 25 車載受信機保護のための妨害特性の許容値および測定方法

などがあります。
このように、私たちが生活する中で起こりうるノイズに起因する多くの現象に相当する試験がIECやCISPR規格の中に網羅されているんですね。


EMCに関する規格は、IECやCISPRだけではなく、ISOにも規定されていますし、アメリカではFCC(アメリカ連邦通信委員会)、ヨーロッパ共同体ではEN(ヨーロッパ規格)我が国ではJISのほかにVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)などで制定された独自のEMCに関する規格があります。

VCCIは、1985年にCISPRが情報処理装置や電子事務機器から発生する妨害波の許容値と測定方法について勧告したことを受けて、日本電子工業振興協会をはじめとする4つの業界団体によって設立されました。

(現在は、情報処理装置等電波障害自主規制協議会から、一般財団法人VCCI協会となっています)
皆さんお持ちのパソコンで、モデル名や製造番号が記された付近に、下記のマークが見当たりませんか?

emc_120927_3.jpg


このマークはVCCIで規定された測定方法で、妨害波の許容値が限度以下ですよ!という証です。

以上、代表的なEMC規格について書かせていただきましたが、実際はまだまだたくさんのEMC規格が世の中に存在します。ただ、これらの規格も基本としているのはIECであったり、CISPRであったりすることが多いようです。
次回から数回に分けて、このIEC/CISPR規格で決められている代表的な測定方法や限度値について書きたいと思います。


参考文献
電磁環境工学EMC 科学技術出版株式会社
EMCのおはなし 平戸昌利氏著 日本規格協会
一般財団法人VCCI協会 ホームページ



※「Zuken Innovation World」関連プログラム
【EMC評価と無線測定の最新情報】
10月11日(木)13時~ C会場
http://www.event-info.com/ziw2012/
キーワードは「cz2012」



●マイクロウェーブファクトリー株式会社プロフィール
「We support your power」を合言葉に、電波に関する先端技術開発に携わるエンジニアの方を全面的にサポートし、ノウハウを生かした解決策を提供することを目指した「電波のトータルソリューションカンパニー」。
新横浜にある「図研 Technical Lab.」では、測定スタッフとしてお客様をサポート。

会社HP : http://www.mwf.co.jp/


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