図研 from Z Vol.14
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2では、実際に自社の情報システムの災害対策に乗り出すとして、具体的にどのようなIT製品やサービスを選ぶべきなのだろうか? 今日IT市場には、災害対策を謳った製品・サービスが溢れており、その機能や価格はかなり幅広い。それらの中から、自社のニーズに適したものを選び出すのはそう簡単ではないが、ここでは抑えておきたい最低限のポイントとして、「RPO」と「RTO」について紹介しておきたい。RPOとは「Recovery Point Objective(復旧時点目標)」の略語で、「システムをどの時点の状態まで復旧できるか」を表す指標だ。災害で本番システムがダウンし、予備システムに切り替えた際、理想を言えば「本番システムが停止する直前の状態」から処理を再開できればベストだ。しかし、本番システムから予備システムへのデータの移行には、常にタイムラグが存在する。例えば、本番システムのデータのバックアップを週に1回しか取っていなかっとしたら、予備システム上では最悪一週間前のデータまでしか復旧できず、直近一週間で発生した新たなデータは永遠に消失してしまうことになる。逆に、1分間隔で常に本番システムと予備システムの間でデータの同期を取っていれば、少なくとも1分前のデータまでは確実に復旧でき、最小限のデータ消失で済むことになる。もちろん後者の方が望ましいわけだが、優れたRPO値を達成するには、当然それに見合うだけのシステム投資が必要になる。例えば、週に1回テープにデータをバックアップするだけならさほど大きなコストは掛からないが、本番システムと予備システムのデータをほぼリアルタイムに同期させるようなシステムを構築するには、高価なハードウェアとソフトウェアを導入し、さらに高速な回線でデータセンター間を結ぶ必要があり、かなりの出費を覚悟する必要がある。一方、RTOは「Recovery Time Objective」の略語で、日本語ではよく「復旧時間目標」などと訳される。こちらは、災害が発生してからシステムを復旧し、再稼働させるまでに要する時間を指す指標だ。言うまでもなく、なるべく短期間の内に復旧できるに越したことはないのだが、こちらもやはりRPOと同様、復旧時間とコストはトレードオフの関係にある。例えば、高機能な機器やソフトウェアを使えば、それこそ瞬時に予備システムへ切り替えることもできるが、これを実現するにはかなりの額の投資が必要になる。一方、テープに取っておいたバックアップデータを人手で予備システム上に復旧していくやり方では、システム再稼働までにかかる時間はどうしても長くなってしまうが、その分投資は低く抑えることができる。このRPOとRTOという2つの指標を拠り所にすれば、市場に溢れるさまざまな災害対策向けIT製品・サービスを、費用対効果の面からかなり客観的に分類・評価できるようになるだろう。また、自前で災害対策の仕組みを一から構築する場合でも、サービスレベルや費用対効果を測るための指標として一般的に使われるため、ぜひおさえておきたい。必ず押さえておきたい2つのポイント「RPO」と「RTO」11from Z_Vol.14_2014

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