fromz_vol11
9/24

9from Z_Vol.11_2012る人より、ダメ出ししてくれる人のほうが100倍ありがたいんです。だから、『どんどん撃ち落とされよう。撃ち落された数を勲章にしよう!』。ここでは常にそういっています」世界に冠たるロボット王国日本だが、技術力の割には肝心の産業化が進んでいない。古田氏は「それは当然だ」という。「それはみな至高の一品物の技術を作っているからです。技術はただの素材。その素材が目的化しているからだめなのです。料理でいうと食材を提供して終わっている。料理になっていない。日本はGDPの67%が第三次産業。僕はここにロボット技術を持ち込みたいと思っています。三次産業でしっかりロボットを作ってもらいたい。ロボット技術に縁のない人たちにロボット技術を持ち込む。今、住宅メーカと一緒に家にセンサーを埋め込んで、医療診断ができる遠隔医療しシステムを考えていますが、そういう衣食住、ライフイノベーションという分野にどんどんロボット技術が入っていくべき。日本はモノづくりができても“コトづくり”ができていない。文化を創造できていない。アップルのiPhoneやiPadは文化を創造したから成功したわけです」 モノづくりの基礎の弱体化も問題だ。理科離れが言われて久しいが、古田氏が憂いているのはモノづくりである。「進学校は比較的理数系志望が多いんです。ただ、理数ができる生徒は、医学や薬学に行く。モノづくりに進もうという人は少数派。それを何とかしたいと思い、全国の小中学校、高校で、ロボット解体ショーや出前授業を行なっています」。名付けて『ショッカー大作戦』。「仮面ライダーではいつも悪者軍団のショッカーが子供たちをさらったり、いたぶったりします。あれは子供番組だからじゃないんです。時代を変えるなら、大人を洗脳するより子供たちを洗脳するほうが早いから。だから子供を狙うんです。資源のない日本が世界で生き残っていくには、人と技術と文化です。僕もいつか仕事ができなくなったときに、次につなげて研究をしてくれる人を育てなければならない。今こそ次の産業の担い手を必死に作っていかなければならないと考えています」かつて世界制覇を目指した少年は、今、ロボットで人を幸せにする未来を実現しようとしている。“技術は使われてこそ意義がある”。“プライドを捨て、結果のためだけに全力を尽くす”。常に本質を問うてきた古田氏が手がけるロボットの数々に、日本の明るい未来を垣間見た気がした。未来ロボット技術研究センター・fuRo(フューロ)Future Robotics Technology Center千葉工業大学 津田沼キャンパス8号館8階第三次産業へロボット技術を持ち込む日本のモノづくりを救う「ショッカー大作戦」進行中多関節ホイール・モジュール(車輪モジュール)を8脚装備した移動ロボット「HallucⅡ(ハルク)」。走行と歩行を切り替えることで高い移動性能を実現。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です