fromz_vol11
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FacebookやTwitterを使っている方なら、この感覚は理解しやすいかもしれない。自分がフォローしている相手が今、どこにいて、どんな行動や発言をしているのかが常にリアルタイムに把握でき、まさに相手と「つながっている」感覚。これをビジネスやモノづくりの現場にも活用しようというのが、社内SNSのコンセプトだ。その活用法は企業や職場ごとにさまざま考えられるが、例えば技術的な課題を抱えていたり、資料を探しているときなど、その旨をSNSに投稿すれば、その内容がフォローしている従業員のタイムライン上に一斉に通知される。そして相手からフィードバックがあった際には、自分のタイムライン上でそれをリアルタイムで受け取ることができる。こうした仕組みを通じて、個々の従業員の生産性向上が期待できることはもちろん、これまで業務フローの中で人が介在してこなかったところに、ソーシャルネットワークによる人同士の密接なコミュニケーションが生まれることで、思わぬ業務改善が実現する可能性も出てくる。「とあるChatterのユーザ企業では、拠点間の在庫調整をシステムを介さず、Chatter上の従業員同士のやりとりで手早く済ませることで、慢性的な在庫不足の解消に成功した。製造業では、基幹系、現場系、流通系とさまざまな系統のシステムが稼働しているが、これらシステム間の情報のやりとりはリアルタイムではない上、人の目には見えない。SNSを活用すれば、これらシステムの上位レイヤーで人同士のリアルタイムの情報交換・情報共有が生まれ、業務システムを回すだけでは不可能だった業務の可視化・効率化が可能になる」(榎氏)さて、ここまでは主に、企業が「何を作るか」「どう売るか」といったマーケティング寄りの観点から見たソーシャルネットワークの価値について紹介してきた。しかしソーシャルネットワークは、顧客やパートナー企業といった社外のステークホルダーだけでなく、社内の従業員に対して適用するメリットも大きい。つまり、企業の中で製品を「いかに作るか」を考える上でも、大いに役立つのだ。実際のところ、社内でFacebookを利用して従業員同士のコミュニケーションの促進を図る企業が増えてきており、またChatterをはじめとする、企業内での利用を前提とした「社内SNS」の製品も数多く提供されている。読者の中にも、既に普段の業務の中でこうしたツールを使いこなしている方も多いかもしれない。しかし、ソーシャルネットワークが登場する以前にも、メールや掲示板ソフト、グループウェアなど、社内コミュニケーションを活性化させるためのツールは多数存在していた。こうした旧来のコミュニケーションツールと比較して、SNSツールは何が違うのだろうか? 榎氏は第一に、その「リアルタイム性」を挙げる。「メールをはじめとする旧来のコミュニケーション・情報共有ツールは、ユーザが自ら情報を探して取りにいく必要があった。しかしSNSの最大の特徴は、自分にとって関心のある情報がタイムライン上に『フィードされる』、つまりリアルタイムで情報が『勝手に入ってくる』ところにある。相手と同じ時間軸を共有しながら、まさに『つながる』ことができるため、メールや業務アプリケーションを介した冷たいデータのやりとりではなく、人間同士の血の通ったコミュニケーションを交わす感覚がある」(榎氏)同じ時を共有する「血の通った」コミュニケーションを可能に株式会社セールスフォース・ドットコム執行役員プロダクトマーケティング榎 隆司氏14from Z_Vol.11_2012

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