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OKIサーキットテクノロジー株式会社鶴岡事業所技術本部技術部部長佐藤 洋一氏6from Z_Vol.35_2025 しい熱サイクル試験や加速度試験を長期間かけて行い、実使用環境下での耐久性を検証しています。これらの厳しい試験条件をクリアすることで宇宙空間における長期運用に耐えうる高い信頼性を担保しています。佐藤氏 冒頭でお伝えした通り、当社は田中貴金属時代から「少量・多品種・高品質」というモノづくりに強みを持っています。生産設備や工程設計もそのスタイルに最適化しており、プリント配線板1枚ごとにしっかりと対応できる柔軟性があります。先ほどの穴あけ加工の管理の他、自動めっきラインでは電流密度と処理時間を微調整するなど、細かな工程ごとのパラメータを精密にコントロールしています。さらに、製造履歴を記録する「ロットカード」によって全工程のトレーサビリティを確保し、JAXA仕様で義務づけられている15年間のデータ保管にも対応しています。こうした制御技術の積み重ねが、過酷な宇宙環境に耐えうる高信頼性を支えています。また、特級のプリント配線板製造技能士11名の存在も、プリント配線板の高度な設計・製造技術を持つことの裏付けとなっていると思います。――JAXAの認定取得にはかなりの苦労があったと伺いました。特に大変だった点を教えてください。室井氏 当時、我々は通常であれば1種類の認定を取得するのに1年かかるところを約2年で7種類を一括で取得しました。これは社内でも非常に大きなチャレンジでした。 一番の課題はやはり「時間」と「精度」です。認定に必要な試験だけでも半年以上かかるものが多く、プリント配線板の製造から評価、試験結果のまとめ、報告まで、スケジュールに余裕はありませんでした。認定試験前には、事前評価も必要です。我々は新規参入という立場でしたので、JAXAへの実績がなく、いきなり正式な認定試験には進めませんでした。まずは事前に試作評価を行い、品質に問題がないことを確認したうえで、正式な試験へ進むという手順を踏んでいます。 また、JAXAの要求仕様は非常に厳格で、認定取得のためには、設計から製造まで一貫して技術を理解していることが求められます。当社の強みは、設計部門と製造部門が密に連携している点です。 認定取得プロジェクトでは、専任者を置く体制をとりましたが、全社的な支援がなければ到底成し遂げられないものでした。従来の業務と並行して準備を進めたため、現場の負荷は大きかったと思います。 一方で、最初はここまで大変なプロジェクトだと思っていなかったというのも正直なところです。転機となったのは、JAXA関連の説明会で社名を明かしてプレス発表をした時です。錚々たる関係者が集まる場で、厳しい質1999年4月に入社し、技術部へ配属。主に産業用・医療用などの民生品のプリント配線板の開発に従事。2012年技術部係長、2015年技術部課長を経て、2024年技術部部長に就任。全社一丸で掴んだ信頼の証困難極まるJAXA認定取得の舞台裏

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