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(FHS)」を強化し、特にスペア部品の在庫最適化に焦は切り離せない一連の価値として認識されています。顧客視点でサービスや体験を捉えなおすと、こうした隣接業界との連携は“選択肢”というより“必然”といえる場面が増えています。顧客は「製品単体」ではなく、その周辺を含めた「使い方」「活用環境」に価値を感じ航空機メーカーも、単に機体を販売するだけでなく付加価値サービスを包括提供するソリューション企業へとビジネスモデルを拡大しています。例えば、エアバスは包括保守契約「Airbus Flight Hour Services点を当てて顧客の期待に応えています。当初は限られた顧客サイトで標準的なメンテナンス業務を行っていましたが、サービス契約数の増加とともにグローバル規模で事業を拡大しています。加えてエアバスは2017自動車業界では現在、コネクテッドカーや自動運転などの次世代モビリティをめぐり、IT企業や半導体メーカーとの連携が急速に進み、各メーカー同士の競争から、今や「エコシステム対エコシステム」の競争へと局面が変わりつつあります。同様に、EV の充電規格でも複数の陣営がインフラと車両を巻き込んだ主導権争いを繰り広げています(図1参照)。また、ドイツのメルセデス・ベンツは2020年にNVIDIAと提携し、AIチップ「Orin」を中核としたソフトウェア定義型車両アーキテクチャの共同開発に着手しました。これにより、車両は販売後もソフトウェアアッており、その文脈で考えると、自社のすぐ隣にある業界が最も相性の良いパートナーであることが見えてきます。に顧客価値を拡張し、新たな競争優位を生み出しているかを、具体事例を通して見ていきたいと思います。年に米パランティア・テクノロジーズ※2と提携し、オープンデータプラットフォーム「Skywise」を立ち上げました。同プラットフォームは運航データやセンサーデータ、整備記録など膨大な情報を一元集約・分析し、予防保全や運航信頼性向上に寄与しています。エアバス自身も得られた洞察を製品設計やサポート向上に活用し、ハード提供にとどまらないソリューション提供型ビジネスへと変革を加速させています。プデートによって機能や価値を向上させ続けることが可能となります。BMWグループもまた、2016年にIntelおよびMobileyeと提携し、完全自動運転車向けの標準プラットフォーム構築に取り組んでいます。これは、異業種のリーディング企業が協調領域において戦略的に手を組む、象徴的な事例です。さらに近年、中国の自動車メーカーにおいてもこの動きは急速に進展しています。代表的な事例としては、吉利汽車が挙げられます。同社はQualcomm社との協業によりSnapdragon※3を搭載し、コネクテッド機能の強化を進めています。NIO(蔚来汽車)においても、自動運転用チップとしてNVIDIA Orinの採用を拡大し、自社開発の車載OS「NIO OS」を軸に、ソフトウェアによるUXの差別化を打ち出しています。また、Li AutoやXPengといった新興EVメーカーも、先進運転支援機能(ADAS)の高度化に向けて、欧米・中国IT企業との協業を進めています。の垂直・水平連携を通じた差別化が進みつつあり、モビリティの価値創出において「誰と組むか」が企業戦略の核心になっています。これまでの「車単体」の競争から、車・IT・通信・サービスが連携する総合的な「体験価値の競争」へと、業界全体の価値の軸足が大きく移行しつつあるのが実情です。以下では、そうした隣接業界間の連携が、どのようこのように、グローバルでソフトウェアや半導体と22北米・欧州・韓国・豪州など、日中を除く世界各地交流用Type1/Type2にDC端子を足した統合型。EUのAFIRで事実上の標準に指定され、欧州DC急速器の8割超がCCS2。北米は2025年以降NACSへ切替えるOEMが急増中。北米(テスラ車+ほ ぼ 全 O E M が2025–26年以降採用)テスラが公開した独自端子をSAE標準化。フォード、GM、メルセデスなど20社超が順次移行を表明。Tesla Superchargerとの互換性を武器に北米の新デファクトへ。中国本土(世界最大の充電網)中国国家標準。公共充電器は100万基超で世界シェア約5割。日中共同仕様、国際規格化中最大900kW対応。CHAdeMOとGB/T の “統合後継”を目指し2023年にChaoJi1を発表。北米・EUの大型トラック/バス向けCharIN主導、最大3.75MW(1,250V/3,000A)。2024年からパイロット導入が始まり、ABB・Volvoなどが実証中。概要/現況規格from Z_Vol.35_2025主な採用地域・用途①航空機業界(航空機提供からソリューション提供へのシフト)②自動車業界(充電規格の連携、ソフトウェア・半導体企業との協業事例)CCS(CombinedChargingSystem)・CCS1(北米)・CCS2(欧州ほか)NACS(テスラ規格/SAEJ3400)GB/T20234ChaoJi(CHAdeMO3.0/次世代GB/T)MCS(MegawattChargingSystem)※各種公表データより著者作成※2 パランティア・テクノロジーズ (Palantir Technologies Inc.):ビッグデータ分析のためのソフトウェアプラットフォームを専門とするアメリカ合衆国の公開会社※3 Snapdragon(スナップドラゴン):Qualcomm社が開発したスマートフォンなどのモバイルデバイス向けのシステムオンチップ(SoC)のシリーズ図1:主なEV充電規格

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