その他大学・公的研究機関海外企業国内の異業種企業国内の同業種企業国内のスタートアップ企業30.430.428.628.616.816.875.975.98.48.42.02.0(%)100806040200n=950備考 : 複数回答のため、合計は必ずしも100%にはなりません。資料 : 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「令和5年度製造基盤技術実態等調査(我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査)報告書」(2024年3月)出典 : ものづくり白書2024 P.11418入れることができ、市場競争力を強化することができます。最近では「ベンチャークライアントモデル※」と呼ばれる、大企業がスタートアップの顧客になることで競争優位の確立や戦略的利益の実現を目指す動きも活発です。企業内、企業間の連携においてはPLM(Product Lifecycle Management)の考えも外すことはできません。PLMとは、製品に関し、企画・開発・部品調達・製造・物流・販売・保守点検・廃棄の一連の工程を「製品のライフサイクル」と捉え、全体を統合的に管理する手法やシステムのことです。「生産現場が作りやすい設計」「物流コストが低くなる製造計画」など、各部門や企業内での個別最適ではなく、PLMを通して全体最適にすることで競争優位性につながります。そして、そのためには部門間の連携が欠かせません。企画や開発など、前の工程で製造や物流などの後の工程で発生する課題を解決する「フロントローディング」という考えも重要性を増しています。さらに、企業と行政や研究機関との連携も見逃せません。行政との連携により、企業は政策や規制の変化に迅速に対応できるだけではなく、公的支援や助成金を活用することができます。また、研究機関との連携により、最先端の技術や知識を取り入れることができ、製品開発や技術革新において優位に立つことができます。特に製造業においては、大学や研究機関との共同研究や産学連携が必須ともいえ、これが新しい材料や製造プロセスの開発に大きな貢献をしています。※ベンチャークライアントモデル : 欧米を中心に導入が進むスタートアップの顧客になり、スタートアップの技術力やサービスなどを自社の収益向上、コスト削減などの戦略的利益のために活用することを、再現性を持って実現する方法。生成AIをはじめとするデジタル技術の進展も、企業活動におけるつながりの重要性を高めています。例えば、生成AIの活用により、IT業界ではコーディング業務の生産性が飛躍的に向上しました。EDAツールの分野でも、半導体設計において、特定の領域では熟練者の設計をAIの設計が性能面で上回る事例が出てきているといわれています。生成AIの活用で、製品開発のスピードが飛躍的に向上し、製造工程もそのスピードに追い付く必要が出てきました。当然ながら、後工程で表面化した課題を前工程に迅速にフィードバックしていく重要性も増しています。このように、工程間で連携することで製品の生産性が向上し、市場投入までの時間が短縮されるだけではなく、コスト削減も実現している事例が増えています。オープンイノベーションの取組相手生成AIをはじめとする新技術の登場
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