図114mcframe 7 CFPを利用する3つのメリット図2原価計算とCFP計算の比較生産管理システムの生産実績や、外部の環境データを基礎データにして算定するので、歩留まりなどを考慮した、実態に即した数値を算出できる。1カ月から数カ月の短いサイクルで算定できるので、季節変動や削減努力による低減などの、時系列の傾向を把握できる。製品別や構成品別、工程別などの視点で排出量を確認できるので、ホットスポットを見出して、集中的な対応を検討できる。また、設計で想定していた標準値との差異を把握できる。 原価計算とCFP計算には、高い類似性がある。総原価35.1円インク1本原材料代5円総原価=∑(物理量×単価)+∑(配賦金額)¥原価計算イメージ電力消費量↓換算電気料金ボールペン1本0.1円組み立て工程配賦積み上げケース1個キャップ1個原材料代原材料代原材料由来10円20円総排出量=∑(活動量×排出原単位)+∑(配分量)CFP計算イメージ電力消費量CO2排出量総排出量0.1kgCO2ボールペン1本0.04kg組み立て工程配分積み上げインク1本ケース1個キャップ1個原材料由来原材料由来0.01kg0.02kg0.03kg↓換算 現在、さまざまなCFP算定ツールがありますが、その多くは製品設計時の固定的な情報に基づき計算されています。しかし、実際の生産では、エネルギー使用量は季節変動があり、さらに歩留まりなども日々変動します。そうした情報を踏まえて算定したCFPを活用しなければ、CO2排出量低減のための活動につなげるのは難しいはずです。そこで我々は、製品製造プロセス全般の実績データを集約するmcframeの仕組みを利用すれば、より実態に近いCFPの情報が提供できるであろうと考えたのです。 mcframe 7 CFPでは、生産管理システムの生産実績を取り込んで算定できるので、歩留まりなどを考慮した実態に即した数値を算定できます。1~数カ月の短いサイクルで算定でき、季節変動や削減努力による低減などの時系列の傾向を把握できるようになります。さらに、製品別や構成品別、工程別などの視点で排出量を確認できるのでホットスポットを見出せ、集中的対応も検討できます。設計で想定していた標準値との差異も把握可能です。 製品を生産する上で必要な原材料や部品や資材などと、一般に公表されている原単位情報との照らし合わせの手間はかかりますが、そこを乗り越えた上で、マスターデータとしてmcframe 7 CFPにセットできれば算定が自動化できます。それがmcframe 7 CFPを利用するシンプルなメリットです。原価計算とCFPを算定する仕組みの共通点について教えてください。 CFPの算定では、mcframeの原価管理機能をベースにしています。原価は、原材料費を積み上げて、組立・製造工程で使用する電気料金などを配賦し、それぞれを組み合わせて計算します。CFPの算定も同様の考え方で、原材料や部品の調達までに排出されたCO2と電気などのエネルギー消費に伴うCO2排出量の配分の組み合わせで算定できます。 図2では、ボールペン製造を例にしています。ボールペン1本当たりの原材料費は、部品の原材料代を単純に積み上げて「35円」と算定可能です。さらに組み立て工程にかかる電気料金を組み立て工程に対して配賦します。ここでは「全体の電気料金1万円のうち100円がこの組み立て工程でかかっている」、すなわち「電気料金=0.1円」と計算し配賦。その合計値が総原価として「35.1円」となっています。CFPは、それをCO2排出量に置き変えて考えれば良いというわけです。mcframe 7 CFPのリリース後の反響について教えてください。 分野や企業規模によって強弱は異なるものの、多くのお客様に関心を持っていただいています。取引先から要望されるCFP提示の量や質が年々上がっているなど、取り組みの開始が必須であると考える企業からの問い合わせが多かったです。市場や顧客からのプレッシャーもある中で、「実際のCFP値を把握して可視化することで、どこよりも先駆けてCO2低減活動に積極的に取り組んでいることをアピールし、市場から選ばれる企業になる」という攻めの姿勢の企業もあり、そういった企業は実際にPoC(Proof of Concept:概念実証)に取り組まれています(図3)。 市場から選ばれる企業を目指して先行してCFP算定に取り組む
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