)RMT-gk(R100,000TMm/L)km/V(1VCCV(10km/L) )LCk502(00rConvesation高木■良亮株式会社図研技術本部副本部長 PLM開発部部長兼務図2走行段階まで考慮した場合のTMRの推移従来型自動車(CV)と電気自動車(EV)1997年図研に入社し、PDMの開発に13年間従事。その後、SEとしてお客様企業の設計現場にてPDM環境構築を担当し、多くのプロジェクトでマネジメントを経験。2015年10月より電気設計PDM開発責任者となる。2022年4月から現職。EV(2016-JPN)EV(1995-JPN)EV(再生可能E)高木 近年、欧州ではグリーンイノベーションに関連して、サプライヤーに対する環境負荷情報の開示が求められる流れにあります。山末氏 その最たるものが欧州で始まりつつあるデジタル製品パスポート(Digital Product Passport:以下、DPP)※4ですよね。DPPについては、製品についての詳細な環境負荷情報や循環性に関わる情報を管理するという理念自体には共感する一方で、サプライヤーの囲い込みにつながるのではないかという懸念もあります。日本企業も情報開示への対応策を考えなければ、気づかぬうちビジネスチャンスを逃す可能性があります。DPP以外にも、環境問題に敏感なグローバルトップ企業からの情報開示要請があるのは時間の問題だと思います。 彼らのすごいところは、自分達に不利になることもちゃんと言うところです。規制というものは基本的に既存のプレイヤーには不利なものですが、それでもまずは道義的な目標を掲げてしまう。それが正論すぎて誰も反論できず、特に日本などは今後、急な変更に苦しむ場合が多くなると思います。ただ、これはリスクであるとともにチャンスでもあり、先手を取ればビジネスを有利にできる可能性も十分にあります。高木 Microsoftをはじめとする一部の欧米の先進企業は、2010年頃からCO₂排出削減に向けた具体的な取り組みを始めています。この欧米と日本のアプローチの早さの違いは何によるものでしょうか。山末氏 私は「知のギャップ」によるものだと思っています。人は知らないから怖い、知らないから行動しないということが往々にしてあります。その背景にはもちろん教育もありますが、「見える化」も要因のひとつとなります。欧米では企業が環境負荷の情報開示に積極的ですから、それが人々の環境行動を促すことにつながっていると考えます。日本でも企業が製品の環境負荷情報をもっと開示するようになれば、社会全体として環境問題へ取り組みが活発になるのではないでしょうか。 いずれにせよ、近い将来に製品の環境情報の開示や透明性を問われる世界が、絶対にやってきます。外部に開示するかは別として、社内で製品の環境情報をまとめ※4 デジタル製品パスポート(DPP)…デジタル技術を用いて、製品のライフサイクル全体における環境影響に関する情報を消費者が容易に取得できるようにする仕組み。2023年3月に欧州委員会が公表した「新エコデザイン案」において規定され、製品にQRコードやバーコードなどとしてDPPを貼付することが求められている。11250,000200,000150,00050,00050,000100,000150,000Kilometrage(km)200,000250,000100,000km200,000km江草 この比較は非常に衝撃的です。自動車業界にも大きなインパクトを与えているのではないでしょうか。山末氏 自動車業界からの講演依頼が増加していることからも、この問題への関心の高まりを感じます。自動車業界にとって脱炭素、カーボンフットプリント(以下、CFP)の計算は喫緊の課題ですから、取り組まざるを得ない状況にあります。しかし現場レベルでは、環境負荷としてCFPだけを注視することに、違和感を抱えておられる方もいるのではないでしょうか。 先日見た雑誌のなかで、トヨタ自動車の豊田章男代表取締役会長が非常に本質を突いた発言をなさっていました。豊田氏は「素材・部品の製造から車の製造、物流、廃棄・リサイクルまでを含めて、ライフサイクル全体でカーボンニュートラルを目指す」旨の発言をなさっています。これはまさに、環境問題に取り組む上で根幹となる考え方です。さらに2022年には他企業がEVに特化すると舵を切る中で、EVに加えて、HV(ハイブリッド車)やFCV(燃料電池車)、内燃機関車、水素エンジン車なども大切であると多様性を謳っており、その点も本当に素晴らしいと感じました。グリーンイノベーションはリスクにもチャンスにもなり得る
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