ThinkingMethod組織論とイノベーション対話的なあり方を重視する議論的なあり方を重視する今回は、成人発達理論・組織論とイノベーションの関係について述べましょう。『ティール組織』という本が2018年に出版され、一世を風靡したのを覚えているでしょうか。もともと、成人発達理論という考え方がありました。発達心理学の一分野で、大人も精神的に成長していくという理論です。ハーバード大学のロバート・キーガンなどが研究をしています。これを組織論に応用したのが『ティール組織』に書かれた内容です。ティールというのは色の名前で、青緑色のことです。成人発達理論やそれに基づく組織論では、人や組織の発達段階を色と対応させて表現することが習慣となっています。虹のように、赤から始まって「せき(赤)・とう(橙)・おう(黄)・りょく(緑)・せい(青)・らん(藍)・し(紫)」の順に色が変わっていくのに対応させて、人の発達段階や組織形態について考えるわけです。成人発達理論に基づく組織論では、アンバー組織(統率型組織)、オレンジ組織(合理的組織)、グリーン組織(家族型組織)、ティール組織(自由な組織)の順に組織が成長していくと考えられています。前回は議論と対話の違いについて述べましたが、大雑把にいうと、議論的なあり方を重視するのがアンバー・オレンジ組織、対話的なあり方を重視するのがグリーン・ティール組織と言えるかもしれません。組織形態について、もう少し詳しく見ていきましょう。19イノベーションを起こしやすいイノベーションが起きにくい(ティール/青緑)自由な組織TealGreen(グリーン/緑)家族型組織Orange(オレンジ/橙)合理的組織Amber(アンバー/琥珀)統率型組織Vol.5成人発達理論・成人発達理論に基づく組織論成人発達理論・組織論とは?
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