図図※2 FPC(Flexible printed circuits 、フレキシブル基板)…絶縁性を持った薄く柔らかいベースフィルムと銅箔等の誘電性金属を貼り合わせた機材に電気回路を形成した基板。きわめて薄く、自在に曲げることができる。エレファンテック製法(ピュアアディティブ®法)とは?エレファンテック製法(ピュアアディティブ®法)金属ナノインク化金属金属をナノ化してインクにし、必要な部分のみに直接印刷する方法です銅箔のパターニング工程に限れば廃液量・水消費・CO2排出、全ての環境負荷が 極限まで低い製法です金属インクジェット印刷による回路形成は極めて難易度の⾼い技術でしたが、 弊社が人類の歴史上初・ 現状でも唯一、量産・市場供給に成功しました金属インク印刷無電解銅めっきEIZO FlexScan® EV3895のタッチセンサーフクダ ⾼精度圧力センサーモジュール金属100年以上続く、製造業の基本的な製法です積んで・削る製法のため大量の廃液が生じ、環境負荷が⾼くなることが大きな課題です※3 参照サイト…https://info.elephantech.co.jp/reduction-of-environmental-impactエレファンテック製法が既存製法と比較した際に優れている面や環境負荷低減に寄与している点について教えてくださいめっき薄膜貼合スパッタリング蒸着CVDスプレーコート…その他既存製法(サブトラクティブ法)薄膜形成エッチングレジスト塗布露光金属基材レジスト現像エッチングエッチングレジスト除去廃棄廃棄廃棄フォトレジスト金属フォトレジスト15しかし、周囲から否定されようともプリンテッド・エレクトロニクスが拓く未来を心から信じている研究者や技術者が当社とその周辺にはたくさんいたため、そのパワーが集まってこれまでになかった基板製法を確立することができました。インクジェットの技術もちょうど時を同じくして成熟してきたことも、われわれを力強く後押ししてくれたと思います。 エレファンテック製法はインクジェットプリンターと銅めっきを使った回路製造法です。まず金属をナノ粒子化してインクにし、それをインクジェットプリンターで基材に吐き出して回路パターンを印刷して、さらに無電解銅めっきで金属を成長させて仕上げていきます。この図では片⾯基板の例になっていますが、両⾯基板の開発も開始しています。エレファンテック製法のFPC※2量産工場については、2019年より戦略的に提携している三井化学の名古屋工場内にあります。当社は今はFPCを販売していますが、エレファンテック製法の量産設備の拡販こそが本来の狙いだと考えています。自社量産工場を持つのは、インクジェット技術でFPCを量産できることを社会に示して見せるためです。実績としては、すでにEIZO株式会社のウルトラワイド曲⾯モニターFlexScan® EV3895のタッチセンサー、株式会社フクダの⾼精度圧力センサーモジュールでエレファンテック製法によるFPCが採用されています。従来のエッチング製法は簡単に言えば「たくさん積み上げていき、その後はたくさん除去していく」というような工程です。一方、エレファンテック製法は必要な分だけ積み上げていくのみです。そのため両者を比較すれば当然、従来手法の方が工程は多くなり、かつ基材に回路を生成する際には現像やエッチング、レジスト除去といった「積層したものを除去していく」工程で大量の廃液が発生することになります。エレファンテック製法なら廃液はゼロにならないものの激減し、水の消費やCO2の排出についても極限まで低減できます。もちろんプロセスも従来手法より短くなるため、その分エネルギーコストも減っていくということになります。例えば、エレファンテック製法で両⾯FPCを製作した場合、CO2排出量は従来製法に比べて-75%、水消費量は同比-95%と著しい削減効果が見込めます。そのエビデンスとなる数値は、当社のWebサイトで情報開示※3しています。除去しないで積み上げるのみFeature Article
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