newsandchpscom編集長国際技術ジャーナリスト兼セミコンポータル編集長兼津田建二氏 i. 7(Wafer on Wafer)(Chip on Chip)<1/10 Impedance<1/10 Thermal Resistance図2 BBCube技術で電極ピッチを60µmから10µmへ、上下の配線長も100µmから10µmへと短縮する効果の影響はありません。電磁界解析で確認していますが、5~10GHzで抵抗が上がり始めます。 エレクトロマイグレーションや、表皮効果などの問題が少ないBBCubeは、高集積化・低消費電力化だけではなく、小型化にも有利ということです。大場氏 BBCube技術は、ミスアライメント誤差が1µm以下なので、前工程のプロセス技術と同じ精度で実装できます。半田バンプを使う場合と違って横に膨らむこともないのでBBCubeを使えば精度良く小型化を目指せます。中條氏の計算では1/4のフットプリントで10倍以上の高集積化が可能になります。小型化はあらゆるシステムで望まれる要求だと思いますので、期待していてください。津田氏 具体的に量産性はどのようにして検討するのですか。大場氏 アライアンスメンバー企業各社が持つアップデートされた先端技術を使い材料や装置を検証します。通常、大学の拠点研究では、4インチや3インチのウェーハで実験していますが、WOWアライアンスでは300mmの試作ラインを前提にレシピや材料を定義しています。 また、なるべく早く製品を社会に出すために、台湾の成功大学と提携し、300mmの試作ラインの実現を加速します。今後は、成功大学とともに300mmウェーハの試作ラインを構築、運用していきます。2023年末までには設置場所を確保して装置を搬入していき、その後、試作ラインを立ち上げる予定です。松澤 台湾の成功大学との提携は、今後スピード感を持って進めていく上では、非常に良いアプローチですね。世界の半導体業界をリードする台湾なら、国からの支援や人材の面においても期待ができますね。 日本が技術の独自性を生かすためには標準化の提案が必要津田氏 3D-IC関連のアライアンスとしては、UCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)や、ベルギーの世界的半導体研究所であるimecなど世界各地に誕生しています。入出力の整合性をとるために標準化の提案も出てきています。WOWアライアンスでは標準化への対応をどうされていますか。大場氏 標準化に関わっている人たちはとかく自社が有利になるように誘導する傾向があります。企業は標準化して仲間を増やし、数量を増やして市場を大きくしようと考えますので、標準化されると、その企業の寡占化につながる恐れがあります。特に海外企業は自社の得意な技術を取り込んだ形で標準化する傾向が強いので、日本企業が彼らの標準化に沿った形に対応すると独自性が失われてしまうという事態に陥りがちです。3次元集積パッケージの実装に取り組んでいるWOW アライアンスは、前工程と後工程との間の橋渡しの役割を担えますし、それが期待されている役割であると理解しています。日本が半導体業界で生き残るためには、標準化委員会の結果を伝えるだけではなく、自分の得意な技術も取り込むかたちで標準化を提案する方向にもっていくことが重要だと思います。低硬度・金型形状 ・非接触バンプ ・実装不可熱膨張による変形や応力が発生するBEOL※WOW出典:東京工業大学 WOWアライアンス※ BEOL(Back End of Line) 配線工程、半導体製造前工程の後半TSVMicro-bumpChip Pitch〜100mThickCOCSi DieBumpBEOLSi Die and on WaferSupport SiDevice WaterChip Pitch〜10mThin<30m低密度Underfill高密度薄化簡易プロセス図
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