123412345ThinkingMethodVol.4ブレーンストーミングとダイアログ(ウイリアム・アイザックス)表119前回の第3回目には、多様なメンバーがアイデアを出すと、イノベーティブで賛否両論なアイデアが出る一方、均一なメンバーの場合には重要ではないアイデアも出ない代わりにブレークスルーというべき斬新なアイデアも出ない、ということを述べました。今回は、「アイデアを出す」ための方法について述べたいと思います。アイデアを出すための方法で、最もよく知られたものはブレーンストーミングでしょう。そこで、ブレーンストーミングについて述べます。私の研究室ではダイアログ(dialogue、対話)の研究も行っていますが、ブレーンストーミングのマインドセットと、ダイアログのそれとは類似点があります。そこで、両者を対応させながら考えてみましょう。Listening(傾聴する)Respecting(どんな話も尊重する)Suspending(批判・判断は保留する)Voicing(自己開示して声に出す)表1の左側に、ブレーンストーミングを行う際の注意点(1)を示します。ブレーンストーミングは、複数の人が集まって何かアイデアを出すための方法であり、5〜6人の時が最も効率的であるといわれています。各自がアイデアを書いた付箋紙を模造紙やホワイトボードの上に貼ったり、オンライン共有ツールの上にアイデアを書き出したりしながら行います。注意点の1つ目として、まず、「他人のアイデアに乗っかる」ことが重要です。時々、各自がアイデアを考えて、いくつかたまったら場に出すというやり方をする人がいますが、これでは他人のアイデアに乗っかりにくいといえるでしょう。ひとつ書いたら、大きな声で読み上げながら、場に出すことが重要です。チームの仲間は、ひとつひとつのアイデアを聞いて、見て、そこからインスピレーションを得てアイデアを考えます。乗っかり合うことによって、多様なメンバーの相乗効果が発揮され、アイデアが面白くなっていくことが、ブレーンストーミングの醍醐味です。各自が書き出したアイデアを持ち寄るのは、単にアイデアの収集であって、ブレーンストーミングではないことに注意が必要です。ブレーンストーミングを行うときの注意点他人のアイデアに乗っかるポジティブに反応会話はしない質より量ワイルドなアイデア大歓迎ダイアログの注意点はじめにブレーンストーミングとダイアログの注意点ブレーンストーミングの秘訣
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