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Design Forceで設計されたBMS board取材後、ロビーにて。(左から、図研 北垣、松澤、ヌヴォトン テクノロジージャパン 金久保氏、武内氏) こうしたヌヴォトン テクノロジージャパンの製品開発に貢献しているのが、図研のCR-8000 Design Forceだ。 「バッテリーモニタリングICの開発にも活用していますが、図研製品は電子機器設計のプラットフォームとして認知されており、安心して使うことができます。実際、パートナーも、お客様も導入しているので、データのやり取りがスムーズで、効率化が図れることはとても大きなメリットだと感じています。社内のエンジニアからも協調設計で使いやすいと評価する声があがっていました」 同社の技術開発センターでデバイス開発部長を務める武内輝明氏は次のように語る。 「バッテリーモニタリングICの基板設計のほか、その他製品のお客様向けリファレンスボードの設計、高速信号を扱う基板とパッケージの協調設計やシミュレーションなど、多くの設計シーンで活用しています。社内における使い勝手の面でも、各種の機能拡張を図研にサポートしてもらい、使いやすさは向上しています。また、他社のシミュレーション製品との連携も強化されているので、シミュレーションの結果を活用した設計が効率的にでき、さまざまな設計シーンで利用しています。実際、2~3割くらい工数を低減できて、良いパフォーマンスを実現しています」(武内氏) 今後に向けて同社では、処理データの増大や処理スピードの高速化、超高集積化といったお客様から寄せられるニーズに応えるため、チップレットインテグレーションやヘテロジーニアスへの対応も、選択肢のひとつになってくると捉えている。 「バッテリーマネジメントICでは、現在ハーネスを介して各セルを監視していますが、今後は無線化が期待されており、その対応としてチップレットのような先端技術が重要なソリューションになると考えています。お客様からの要望もあがってくると思いますので、迅速かつ柔軟に対応できるように市場の動向に注目していきます」 最後に、改めてこの2年を振り返ってもらった。 「時間の経過はあっという間でしたが、実に数多くのチャレンジができました。それが実現できたのは、当社が長年培ってきた企業文化とヌヴォトングループの企業文化が融合することで新たなシナジーが生まれたからこそであると感じています。今後も、こうして生まれた新たな企業文化とコア技術を基盤としながら、グローバル市場に適合させて、さらに変化していくことが求められるでしょう。ヌヴォトン テクノロジージャパンとしての歩みは、まだ始まったばかりです。引き続き当社の強みを意識しながら、マーケットインでお客様のニーズを捉え、期待に応えていきたいと考えています」 同社では今年、バッテリーマネジメントIC をはじめとするアナログ製品の生産能力を増強するための設備投資も実施。こうした取り組みにより、この事業における売上高を5倍以上にすることを目指している。同社の躍進には、引き続き業界の注目が集まっている。二つの企業文化が融合して生まれた新たな取り組みは、始まったばかり市場の期待に応えるためさらなる挑戦は続く

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